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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が4月16日に「緊急事態宣言」の対象区域を全国へ拡大したことで、様子見をしていた建設会社が相次いで工事中断を打ち出した。次の課題は、いつ再開するかだ。

 政府が緊急事態宣言の対象区域を全国に広げた翌日の4月17日、鹿島や前田建設工業、熊谷組といった大手・準大手ゼネコン、大和ハウス工業などは全国の建設現場を対象に、原則として工事を中断すると相次いで発表した。鹿島などは、政府が4月7日に7都府県に対して緊急事態宣言を発令した後も、工事継続の方針を示してきた企業だ〔図1〕。

〔図1〕工事の「原則中断」を表明する建設会社が続々
企業名 発表日 概要
西松建設 4月8日 施工中の現場については発注者と協議のうえ、工事中止・現場閉所を基本方針とする
東急建設 4月9日 緊急事態宣言が解除されるまで、対象区域では原則工事を中断する。発注者と協議のうえ、状況に応じて柔軟に対応する
清水建設 4月13日 7都府県内の現場は原則として、緊急事態宣言終了まで閉所する(4月17日に対象を13都道府県に拡大)
大林組 4月15日 4月8日に「原則として工事を継続する」と表明していたが、7都府県内の工事を5月6日まで中断する前提で発注者と協議する。他地域においても状況に応じて、7都府県に準じた対応を検討する(4月17日に対象を全国に拡大)
戸田建設 発注者と協議のうえ、7都府県内の現場を5月6日まで原則閉所する(4月17日には対象を全国に拡大)
鹿島 4月17日 発注者、協力会社との協議が整い次第、全国の現場を5月6日まで閉所する。緊急性の高い工事などは継続の可能性も
熊谷組 4月8日には工事の継続方針を示していたが、特定警戒都道府県(13都道府県)を重点的に、5月6日までの工事中断を発注者と協議する
大和ハウス工業 全国を対象に、可能な物件では5月10日まで休工とする
奥村組 特定警戒都道府県(13都道府県)で施工中の工事は、発注者と協議のうえ、原則として5 月 6 日まで中断する
フジタ 緊急事態宣言の対象区域では、原則として5月6日まで工事を中断することを前提に、発注者と協議する
前田建設工業 全国の現場を対象に、発注者との協議が完了次第、工事を中断し閉所する。対象期間は原則、4月25日から5月10日まで
大東建託 4月20日 全国の約1750現場を当面、一時閉所とする。発注者、入居者、協力会社との協議が整ったものから順次進める
安藤ハザマ 4月24日から5月6日までの期間、現場を原則として閉所する
(資料:各社の発表資料を基に日経アーキテクチュアが作成)

 「やっぱり清水(建設)さんの一件が衝撃的だった」。ある建設会社の幹部がこうつぶやくように、各社が一転して工事中断に踏み切った背景には、清水建設が中断を表明した影響が大きいとみられる〔写真1〕。

〔写真1〕工事を中断した清水建設の現場
〔写真1〕工事を中断した清水建設の現場
清水建設が4月15日から閉所している都内の再開発事業の現場(写真:日経アーキテクチュア)
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 同社は4月13日、東京都内の同じ現場に勤務する社員3人が感染し、うち1人が死亡したと発表。併せて、7都府県で稼働中の現場を原則中断すると表明した。清水建設の社員死亡の一報を受け、メディアの報道合戦が過熱。ゼネコンはもちろん、協力会社などにも動揺が広がっていた。

 中断の対象となる工事はどのくらいか。全国を対象とする大手ゼネコンでは鹿島が約700件、大林組が約600件。13都道府県を対象とする清水建設でも約630件を数える。

 各社とも発注者などとの協議を前提としたため、実際に工事を止めるケースがどの程度になるは不明だが、相当数に上ることは間違いなさそうだ。例えば清水建設では、4月13日に工事中断の対象とした7都府県の約500件のうち9割近くが、4月17日時点で閉所している。

 住宅会社はどうか。大和ハウス工業では、工事中断の対象が約3500カ所に達する。建物種別は、戸建てとアパートから成る住宅系が8割以上、店舗と事業所などの非住宅系が2割弱だ。発注者の理解を得られた現場から中断する。