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2030年代に向けて、東京都心部における最大級の再開発が始まる──。場所は皇居の近く、日比谷公園に隣接する「内幸町1丁目街区」。注目は総事業費約2000億円以上を見込む「帝国ホテル東京」の建て替えだ。

 1890年に国の威信をかけてつくられた帝国ホテル。フランク・ロイド・ライトが設計し、惜しまれつつ解体された「2代目」本館の“後継”として、1970年に建設されたのが、現在立っている「3代目」本館だ〔写真1〕。

〔写真1〕「日本の迎賓館」としての役割を継承
〔写真1〕「日本の迎賓館」としての役割を継承
1970年に竣工した「3代目」帝国ホテル東京本館。2036年度完成予定の「4代目」本館は、デザインを継承しつつ、日本の迎賓館としての役割を担う施設を目指す(写真:日経アーキテクチュア)
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 施設を運営する帝国ホテル(東京都千代田区)は2021年3月、「帝国ホテル東京本館」と、本館に隣接する「帝国ホテルインペリアルタワー(以下、タワー館)」の建て替え計画の実施方針を決定した。

 同社はリリースで「コロナ禍で経営環境は厳しく、先行きは不透明だがアフターコロナを見据えた将来性のある企業価値向上への取り組みとして決定した」とコメントしている。

 計画では、24年度からタワー館の建て替えに着手し、三井不動産と共同で新タワー館を建設する。その後、本館の建て替えに取り掛かる。新タワー館は30年度、新本館は36年度完成予定で、総事業費は2000億~2500億円程度を見込んでいる。

 「4代目」本館はどのようなデザインになるのか。日経アーキテクチュアの取材に対して同社広報部は、「設計者選定や今後のスケジュールなど現時点で決まっていることはないが、デザインを継承しつつ、日本の迎賓館としての役割を担う施設を目指す」と説明する。