東京都八王子市内に立つ築8年の賃貸アパートで屋外共用階段が崩落、住人1人が亡くなった事故が波紋を広げている。国土交通省は特定行政庁に対し、この建物の施工者が手掛けたアパート166件の調査を要請した。
事故が起こったのは2021年4月17日午後2時ごろ。被害者が2階へ向かう階段を上っていたところ、階段が崩落。約2m下に落ちて病院へ運ばれたが、22日に亡くなった。警視庁捜査1課が業務上過失致死の疑いで捜査中だ〔写真1〕。
この建物は、八王子市南新町の住宅地に立つ木造3階建ての共同住宅。建築計画概要書によると、敷地の用途地域は近隣商業地域で、準防火地域に指定されている。敷地面積は145.04m2、建築面積は107.23m2、延べ面積は302.23m2。計8戸から成り、1階に4戸、2階と3階に屋外階段を境として2戸ずつを配置している。12年12月5日に確認済み証、13年10月8日に検査済み証の交付を受けた。
概要書によると、アパートの設計と確認申請を担当したのは2級建築士事務所のりゅうこうぼう(横浜市)。工事監理者は斎藤1級建築士事務所(相模原市)、施工者は則武地所(同)だ。指定確認検査機関のJ建築検査センター(東京都渋谷区)が建築確認、中間検査、完了検査を実施した。建築主は東京都日野市に住所を置く人物だ。