全1650文字
PR

展望台改修計画に関する設計契約の解除を巡り、裁判で争っていた広島県尾道市と石上純也建築設計事務所。広島地方裁判所尾道支部が5月27日、石上事務所に約1041万円の支払いを命じていたことが分かった。

 紛争の舞台となったのは尾道市が2017年に発注した「千光寺公園頂上エリアリニューアル基本・実施設計業務」。公園内に立つ既存の展望台を建て替える計画だった〔写真1〕。

〔写真1〕以前の展望台は佐藤武夫の設計で1957年完成

千光寺公園内に立っていた展望台。2018年撮影。新展望台の建設に伴い、21年2月に解体された(写真:日経アーキテクチュア)
千光寺公園内に立っていた展望台。2018年撮影。新展望台の建設に伴い、21年2月に解体された(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]
16年のプロポーザルで石上事務所が提出したデザイン案(資料:石上純也建築設計事務所)
16年のプロポーザルで石上事務所が提出したデザイン案(資料:石上純也建築設計事務所)
[画像のクリックで拡大表示]

 市は16年12月に公募型プロポーザルで石上事務所を選定。設計業務を発注した。しかし18年1月、履行期限の17年12月28日までに業務が完了しなかったとして石上事務所との契約を解除すると発表。17年度分の設計料の前払い金約720万円の返還と違約金約321万円の支払いを同事務所に求めた。

 両者は協議を進めたものの折り合わず。市は18年10月に石上事務所を相手取り、上述の計約1041万円の支払いを求めて広島地裁尾道支部に訴訟を提起した。対する石上事務所は19年8月、設計報酬の未払い分の支払いと債務不履行に基づく損害賠償の計約4542万円を市に求めて反訴した。