東京都目黒区に完成直前だった商業施設で、確認済み証の交付を受けずに着工していたことが判明した。設計者が確認済み証を偽造していた。区は是正措置として解体を指示。建築主は設計者を刑事告訴する方針だ。
建築基準法違反が判明したのは、「Craft Village NISHIKOYAMA(クラフトビレッジ西小山)」の商業棟。都市再生機構(以下、UR)の保有地で建設中だった鉄骨造・2階建ての施設だ。建築主はピーエイ(東京都文京区)。同社によると、設計者のアーキメタルドットジェーピー(東京都世田谷区、以下、アーキメタル)が、確認済み証を偽造していた。特定行政庁の目黒区は7月3日、ピーエイに対して、建築物の解体までの是正計画の提出を求めた。
URが施設の事業者を募集し、2018年11月にピーエイを選定した。同社が提案した建物は複数のコンテナを連結した形状が特徴〔写真1〕。事務所棟と2棟の商業棟を建設し、19年7月開業を目指していた〔図1〕。
区木密地域整備課の職員が19年6月に現場を確認したところ、事務所棟と商業棟ともに着工していた。しかし、建築課の職員が確認済み証の交付記録を確認すると、事務所棟には交付していたが、商業棟は確認申請すらなされていなかった。