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コロナ禍のなか、長野県が公募した陸上競技場の設計者が、公開審査で決まった。審査員がこぞって「美しい」と称賛した槇文彦氏の案を破ったのは、大会時よりも日常の使われ方を重視した青木淳氏のチームだった。

 槇総合計画事務所の“端正さ”か、青木淳建築計画事務所・昭和設計JV(設計共同体)の“新しさ”か。あるいは環境デザイン研究所・林魏建築設計事務所・倉橋建築計画事務所JVの“にぎわい”か──。

 長野県は7月24日午後1時から「松本平広域公園陸上競技場整備事業基本設計」の公募型プロポーザル2次審査を一般公開で実施。午後4時30分ごろ最適候補者を青木淳建築計画事務所・昭和設計JV(以下、青木淳JV)に特定した〔写真1〕。

〔写真1〕「大会のない日」を重視した提案
〔写真1〕「大会のない日」を重視した提案
最適候補者に選ばれた青木淳建築計画事務所・昭和設計JVによる案の模型。トラックの両サイドには壁がなく、公園とつながっている(写真:宮沢 洋)
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 審査委員は、委員長の古谷誠章早稲田大学教授ほか計6人。2次審査の会場は松本市中央公民館で、一般の約80人が傍聴したほか、審査開始から終了まで、YouTubeでライブ配信された〔写真2〕。最終投票まで公開される審査は珍しい。

〔写真2〕最終の審査も投票も公開
〔写真2〕最終の審査も投票も公開
ライブ配信されたYouTubeの映像。最終段階の審査員による議論の様子(画像:長野県)
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 対象は松本平広域公園(松本市今井)内に建設する延べ約2万m2の陸上競技場。2027年開催の第82回国民体育大会と第27回全国障害者スポーツ大会の会場に予定されており、「日本陸上競技連盟第一種公認仕様に適合すること」などが条件だった。直接工事費は約88億円。

 プロポーザルの募集開始は20年3月23日。計8者から応募があり、6月13日の1次審査は、提案書による書類審査で3者が選ばれた。2次審査前に公開された1次審査の「総評」では、「3つの案に可能性があり、比較するにふさわしい、際立ったものとなっている。(中略)参加者3番の槇事務所は、一番提案がうまくまとまっている」とコメントされ、2次審査前は「槇事務所優位」とみられた。