全1331文字
PR

福岡市が進めている再開発促進事業「天神ビッグバン」。その規制緩和第1号が完成した。世界的な建築設計事務所OMAが建築デザインを担当。入居状況は上々だ。同地区では今後もオフィスの大量供給が続く。

 9月30日、福岡地所(福岡市)が福岡市中央区天神に計画した「天神ビジネスセンター(以下、天神BC)」が竣工した。地下2階・地上19階建てで、延べ面積は約6万1100m2だ。10月から順次入居が進む。

 建築デザインはOMA(オランダ・ロッテルダム)が担当し、同社ニューヨーク事務所代表の重松象平氏が中心となった。建物の角をピクセル状に削ったデザインが特徴だ。福岡地所の田代剛建設部長は「建物全体を遠くから眺めるのが難しい敷地条件で、いかに象徴的な建物をつくるかがテーマだった」と話す〔写真1、2〕。

〔写真1〕地下鉄駅直結のアトリウムを設置
〔写真1〕地下鉄駅直結のアトリウムを設置
OMAが提案した建物の角をピクセル状に削るデザインは、100m2の広場の設置を条件とする地区計画に対応する狙いもあった。吹き抜けのアトリウムは福岡市地下鉄空港線「天神駅」に直結している(写真:Tomoyuki Kusunose)
[画像のクリックで拡大表示]
〔写真2〕天神地区で最大規模の建物
〔写真2〕天神地区で最大規模の建物
北東側から見た外観(写真:Tomoyuki Kusunose)
[画像のクリックで拡大表示]
北側から見た外観。基本設計は日本設計、実施設計・施工は前田建設工業が担当した。最高高さは約89m。基準階貸し床面積は約2370m<sup>2</sup>。福岡市では初の大規模免震構造を採用。新耐震基準の1.5倍の耐震性能を有する(写真:Tomoyuki Kusunose)
北側から見た外観。基本設計は日本設計、実施設計・施工は前田建設工業が担当した。最高高さは約89m。基準階貸し床面積は約2370m2。福岡市では初の大規模免震構造を採用。新耐震基準の1.5倍の耐震性能を有する(写真:Tomoyuki Kusunose)
[画像のクリックで拡大表示]

 福岡市は2015年、天神駅交差点を中心に半径500m以内を対象とした再開発促進事業「天神ビッグバン」を開始。民間ビルの更新を促すことで、総延べ面積を約31万m2増床し、雇用者数を約4万人から約9万7000人に拡大する。年間8500億円程度の経済波及効果を見込む。

 「天神ビッグバン」では天神BCを含め既に43棟の建て替えを完了した。同事業の目玉、国家戦略特区による航空法高さ制限の特例承認と、容積率緩和などを付与する市のインセンティブ制度「天神ビッグバンボーナス」を活用した建物は天神BCが初めて。同ビル敷地は高さ制限が約67mから約86~約90mに、容積率が800%から1400%に緩和された。天神BCはそれを最大限活用した。