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東京・吉祥寺で起こった道路の陥没。走行中の車両を巻き込む事故に、周辺は騒然となった。航空写真からは、隣のビル建設現場の土留め壁の下部が現場側に大きく傾いているのが分かる。陥没との因果関係を探る。

 11月2日午前6時ごろ、東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目で道路が陥没し、走行中のごみ収集車の後部が転落して動けなくなった。負傷者はいなかった〔写真12〕。

〔写真1〕事故現場の隣でビルを建設中
〔写真1〕事故現場の隣でビルを建設中
陥没した道路にごみ収集車の後部が転落した。ごみ収集車の下に見える土留め壁の下部は、建設現場側に向かって押し出されている。11月2日午前9時55分撮影(写真:共同通信社)
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〔写真2〕後輪が陥没に巻き込まれた
〔写真2〕後輪が陥没に巻き込まれた
穴は徐々に広がり、11月2日正午ごろには幅約4m、長さ約10m、深さ約2~5mになっていた。11月2日正午ごろ撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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 事故が起こったのはJR吉祥寺駅に程近い東急百貨店吉祥寺店の北側の道路。ごみ収集車に乗っていた作業員が通報した。警視庁武蔵野署によると、穴の大きさは長さ約10m、幅約4m、深さ約2~5mに達した。「通報を受けてから、徐々に穴が広がっていった」(武蔵野署)

 陥没した道路に面する敷地では、ビルの建設に向けて既存建物の解体と土留め工事が進んでいた。プロジェクト名は「(仮称)吉祥寺本町二丁目PJ新築工事」だ。武蔵野署は、「建設現場と道路の境界に設けてあった土留め壁がハの字状に開き、道路側から現場に向かって土砂が流れ込んでいた」と説明する。

 報道機関による航空写真などからは、高さ10mはありそうな土留め壁の下部が現場側に1~2mほど押し出されているように見える。

 施工者の丸二(東京都武蔵野市)は日経アーキテクチュアの取材に対して、「事故と工事の関係について調査中のため、取材に応じられない」と回答している。

 周辺には規制線が張られ、通行できない状況が続いていたが、11月8日未明には、転落したままになっていた車両の引き上げが完了した。

 引き上げに時間を要した理由について武蔵野市道路管理課は「強引に引き上げると穴を広げかねないため、現場側の埋め戻し作業を優先した。施工者の丸二に埋め戻しを指示した」と説明する。市は埋め戻しと舗装復旧作業を実施して、13日に道路を開放した。今後、武蔵野署と市はそれぞれ事故の原因調査を進める。