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災害拠点設計ガイドラインに沿えば、庁舎は本当に巨大地震後も継続利用できるのか─。2019年12月、震度7クラスの揺れを連続で起こした実大振動実験により、モニタリング技術を含む検証が行われた。

 鉄筋コンクリート(RC)造、3階建ての試験体が揺れて振り回され、大きく傾いた。高さ約10mの試験体がゆがみ、ガラスが割れる「ガシャン」という音が響いた〔写真1〕。

〔写真1〕建築基準法レベルの1.6倍の揺れで大きく変形も崩壊せず
〔写真1〕建築基準法レベルの1.6倍の揺れで大きく変形も崩壊せず
建築基準法の想定の1.6倍となる地震力を受け、試験体が大きくゆがんだ瞬間。柱が折れるといった脆性的な壊れ方は避けられた。研究グループは合計4回の加振で安全性を確認した(写真:池谷 和浩)
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 この実大振動実験は2019年12月6日、防災科学技術研究所の兵庫耐震工学研究センター(兵庫県三木市)の振動台(通称:E-ディフェンス)で実施されたものだ。

 加振に用いたのは振動の位相を阪神大震災と同様とし、建物に作用する地震力が建築基準法レベルの1.6倍となるように増幅した人工地震波。建物の長辺方向を揺らした。揺れの強さは、試験体が載る振動台の床レベルで震度7に相当する。

 冒頭の破壊実験は、同様の加振を複数回繰り返し、損傷が進んだ状態で実施した。同じ場所で震度7の大地震が何度も起こるという、熊本地震並みの非常事態を再現した。