竹中工務店の建築工事の現場で施工図を作成していた設計者が、「偽装請負」の状態で働かされたとして、同社とTAKシステムズ(大阪市)、日本キャリアサーチ(大阪市)の3社を相手取り、連帯して220万円の損害賠償を支払うことなどを求め、2019年12月26日に大阪地方裁判所へ提訴した。
原告は、施工図の作成や人材派遣などを手掛ける日本キャリアサーチの元社員の男性(41歳)だ。
訴状によると、原告は大阪府高槻市内にある竹中工務店の現場事務所で19年8月から施工図の作成業務を担当していた。竹中工務店は子会社のTAKシステムズにこの業務を委託し、さらに同社が日本キャリアサーチへ再委託した〔図1〕。原告の男性は当時、日本キャリアサーチの社員で、二級建築士や一級建築施工管理技士、CAD利用技術者一級などの資格を持っていた。
業務委託や請負は派遣契約と異なり、委託先の労働者と発注元との間に指揮命令関係が生じないが、竹中工務店の社員は男性に図面の修正箇所などの業務内容を詳しく指示していた。TAKシステムズや日本キャリアサーチの社員は現場に常駐していなかったという〔図2〕。