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 2019年10月の台風19号で、内水氾濫に見舞われた川崎市の武蔵小杉駅周辺。駅前のタワーマンション「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」では地下3階の電気設備などが浸水し、大規模な停電が発生した〔写真1〕。調査を進めてきた管理組合のタスクフォースはこのほど、被災のメカニズムを解明した。

〔写真1〕台風19号で大規模停電が発生
〔写真1〕台風19号で大規模停電が発生
台風19号の影響で住戸の大半が停電し、多くの住人が避難を余儀なくされたタワーマンション「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」。2019年10月18日撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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 以下では、被災当日の状況を振り返りながら詳しく解説する。

 フォレストタワーが浸水したのは19年10月13日の未明。多摩川の水位が大雨で上昇し、川の濁流が山王排水樋管を通じて逆流。武蔵小杉駅周辺に内水氾濫を引き起こした。

 周辺地域の浸水を知ったマンション住民が100人ほど集まり、1階の玄関や地下駐車場の出入り口に高さ60cmほどの土のうを積んで浸水を防いだ。浸水深は30cmほどだったので、玄関や駐車場の出入り口から屋内に水が流れ込むことはなかった。

 にもかかわらず、地下3階の電気設備は水に漬かった。水は意外にも、さらに下層に設置していた貯水槽からやってきた。貯水槽には周辺地域に降った雨を一時的にためておく役割がある。これが満杯となりあふれ出し、地下3階に浸入したのだ〔図1〕。

〔図1〕水は地下の貯水槽からあふれ出した
〔図1〕水は地下の貯水槽からあふれ出した
浸水の過程。側溝などから雨水を集める雨水流入升がマンション敷地内にあるが、バルブがないため地下貯水槽への水の流入を止めるすべがなかった(資料:パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー)
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