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 三井住友信託銀行と三井住友トラスト基礎研究所は7月20日、東京都心5区の賃貸オフィスビル市場における環境認証の取得割合と、認証取得による賃料の押し上げ効果に関する調査結果を発表した。

 最高ランクの環境認証を取得したビルでは、取得前に比べて賃料が平均4.6%も上昇していた。認証の取得前後に着目して賃料との関係性を明らかにした調査は珍しい。認証のランクが高いほど、賃料が高くなる傾向も確認できた。

調査対象は1946棟

 調査対象としたのは東京都千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区に立地する賃貸オフィスビルのうち、1981年以降に竣工した延べ面積1000坪以上の1946棟。延べ面積は計1285万坪だ。

 環境認証については、DBJ Green Building認証、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の3種類について、2021年12月末までに公表されている認証結果を収集。評価軸を共通化するため、各認証制度の最高ランクを「評価5」とし、1~5の5段階に振り分けた。

 調査の結果、東京都心5区の賃貸オフィスビルでは、全体の19%に当たる374棟で環境認証を取得済みだった。延べ面積にすると437万坪で、全体の34%に上る〔図1〕。

〔図1〕東京都心5区における環境認証取得の実態
〔図1〕東京都心5区における環境認証取得の実態
東京都心5区の賃貸オフィスビルでは、延べ面積ベースで全体の34%が環境認証を取得済み。そのうち評価5と評価4が88%を占める(資料:三井住友信託銀行)
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 認証取得済みのビルのうち評価4以上は延べ面積ベースで88%を占めていた。00年以降に竣工した築浅ビルや、床面積の大きなビルで認証の取得割合が高い。認証を取得したビルの所有者を属性別に見ると、不動産を主業としている所有者の取得割合が高い傾向が見られた。