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 7月3日に静岡県熱海市で起こった大規模な土石流。131棟の建物が被害を受け、人的被害は同月28日時点で死者22人、行方不明者5人に上る〔写真1〕。そのメカニズムが徐々に明らかになってきた。

〔写真1〕131棟の建物に被害
〔写真1〕131棟の建物に被害
救助活動の様子。国交省は7月20日から、二次災害の防止に向けて砂防堰堤の新設などを始めた(写真:総務省消防庁)
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 静岡県によると、逢初(あいぞめ)川流域(分水嶺を境にして、降水が流入する全域)の上流部にあった推定約7万m3超の盛り土のうち約5万4000m3が崩壊し、市街地を襲ったとみられる。盛り土由来の土砂の量は、土石流の97%を占める。

 県は7月15日、表流水(地表を流れる水)や流域外の地下浸透水などの影響で盛り土全体が大量の水を含み、崩壊して下流まで流れ落ちたとする推定メカニズムを公表した。

 県は盛り土の崩壊の起点が下流側だと推測している。想定される現象の1つがパイピングだ。盛り土内の地下水位の上昇に伴い、下端部から水が噴出。下端部の土砂が流れ落ちた影響で上部の盛り土も連鎖的に崩落した恐れがある〔図1〕。

〔図1〕下流側が起点となって崩壊か
〔図1〕下流側が起点となって崩壊か
盛り土の崩壊メカニズムのイメージ。崩壊した土砂は、下流域の市街地まで流れ込んだ(資料:静岡県)
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