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 道路上空に設ける渡り廊下などの通路の設置が、従来よりも柔軟に計画できるようになる。国土交通省は、上空通路を設置する際の階数や幅員、設置箇所数を定める許可基準を緩和。従来定めていた上限を撤廃した。7月11日、技術的助言を都道府県宛てに通知し、特定行政庁に周知するよう求めた〔図1〕。

〔図1〕用途や規模に応じて設置しやすく
 
通路の階数 1階 1階を基本とし、建築物の用途、規模などにより適切と認められる場合は2階以上も可(上限は設けない)
通路の幅員 常時通行する人数もしくは運搬する物品の数量または非常の際の通路から避難する人数に応じた最小限度かつ6m以下 常時通行する人数もしくは運搬する物品の数量または非常の際に通路から避難する人数に応じた適切な幅員(上限は設けない)
通路の設置数 原則1個(最大2個) 1個を基本とし、建築物の用途、規模などにより適切と認められる場合は2個以上も可(上限は設けない)
道路上空に設ける通路に関する許可基準の変更ポイント。建築物の規模や用途、利用者数に応じた上空通路が設置しやすくなる(資料:国土交通省)

 国交省住宅局市街地建築課の担当者は「7月に施行した改正都市再生特別措置法に、立体道路制度の適用対象拡充の項目が盛り込まれた。道路の高度利用化が重要だという考え方が背景にある。改正の目的を踏まえたうえで、上空通路の設置についても柔軟に対応できるようにした」と話す。

 上空通路の取り扱いについて定めていた「昭和32年通知」や「昭和46年通知」などを全て廃止。国交省住宅局や道路局、警察庁、消防庁からそれぞれ上空通路の設置に関する新たな通知を出した。

 規制が緩和された項目は、上空通路の階数と幅員、設置箇所数の3点。昭和32年通知では、通路の階数は1階、幅員6m以下、設置箇所数は原則として同一建築物につき1個と定めていた。

 建築物の用途や規模などを踏まえ、自治体が適切と認める場合には、建築物に対応した上空通路の設置を計画できるようになる。通路の階数は「基本は1階、建築物の規模などにより2階以上も可」に、幅員は「適切な幅員」が認められる。設置箇所数に関しても「1個を基本とし、建築物の規模などにより2個以上も可」となった。それぞれ上限を撤廃した。

「適用除外を認めづらかった」

 建築物の規模や利用者数に応じて許可基準を緩和することは、以前から認められていた。1996年に通知された「道路の上空に設ける通路の取扱い等について(通達)」では、一定の条件を満たせば、許可基準の一部適用除外を認めることが明記されている〔写真1〕。

〔写真1〕上空通路の例
〔写真1〕上空通路の例
渋谷マークシティの京王井の頭線渋谷駅とJR線渋谷駅を結ぶ上空通路(写真:日経アーキテクチュア)
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 だが、国交省市街地建築課の担当者は「原則が定められているなかで、適用除外として許可を出すことは自治体にとってはハードルが高かった」と言う。上空通路の設置に関する許可基準が定められた1957年当時と比べると、建築技術も発達し、建築物の規模も大きくなった。こうした変化に対応するため、通知を整理し、許可基準を緩和した。