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 人口減少数が全国の市区町村で最大となった神戸市が、都心部のタワーマンションなど住宅の建設を禁止または規制する条例で、街を再活性化する戦略を練っている〔写真1〕。

〔写真1〕約60棟が「既存不適格」に
〔写真1〕約60棟が「既存不適格」に
神戸市の鳥瞰写真。同市は2020年7月に都心部のタワーマンションなど住宅の建設を禁止または規制する改正条例を施行する。対象地域のマンション約60棟が「既存不適格」になる(写真:神戸市)
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 自治体が住宅などの新設を厳しく規制する条例は、2006年4月に横浜市が横浜駅と関内駅周辺を住宅禁止地区に指定した「横浜都心機能誘導地区建築条例」に次ぐ、全国で2例目となる。

 市議会は19年7月1日に「神戸市民の住環境等をまもりそだてる条例」の修正案を可決し、都心部におけるタワーマンションなど住宅の建設規制に乗り出した。市は、都心部に商業や観光などの機能を集約して街の魅力を取り戻す考えだ。

 総務省が19年7月10日に発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、19年1月時点の神戸市の日本人住民の人口は148万9820人。前の年と比べて6235人の減少となり、日本人の減少数は全国ワーストを記録した。

 神戸市では12年から継続して人口が減少している。久元喜造市長は19年7月11日の定例会見で、「これまでの人口減少対策というのは十分ではなかった」と説明している。