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7月30日午前8時57分ごろ、福島県郡山市島2丁目にある飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で大規模な爆発が起こった〔写真1〕。店舗は改装工事中で8月3日に営業を再開する予定だった。爆発に巻き込まれ、内装工事を請け負っていた小西造型(仙台市)の社員で現場責任者の男性1人が死亡。通行人など19人が負傷した。
店舗は鉄骨造の平屋建てで、延べ面積は163.88m2。爆発で外壁や屋根がほぼ全て吹き飛散や爆風で店舗周辺の住宅など少なくとも184棟に窓ガラスや外壁の破損といった被害が生じた〔写真2〕。被害を受けた建物のなかで最も遠いものは、店舗から約500mも離れていた。
店舗には屋外にプロパンガスのボンベ6本が設置されていた。警察と消防は、爆発当時はガスの臭いがしていたことからガス漏れの可能性が高いとして原因を調査している。
日本建築学会衝撃低減対策小委員会で主査を務めた神戸大学の向井洋一准教授は、「今回事故が発生した建物は開口部が少なく、気密性が高い建物だったと推測される。内部で爆発が発生し、壁にかかる圧力が均等になって建物全体が壊れるまで、爆風が外へ抜けなかった可能性がある。そのため、鉄骨しか残らないほど周辺に激しく飛び散ったのではないか」と分析する。