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 建設物価調査会は8月6日、新型コロナウイルスによる建設投資や機械設備投資への影響に関するアンケート調査の結果を公表した。2020年7~9月期以降の建設投資計画について、「後ろ倒しになった」もしくは「中止または無期限延期」とする回答が全体の15.6%に上った。20年3月時点の調査より割合が増えており、先行きの不透明感から建設投資を留保する動きが鮮明になった。

 建設物価調査会は20年6月、資本金1億円以上の企業から抽出した1884社を対象にアンケートを実施した。アンケートを回収した815社のうち、建設投資計画について「変わらない」と回答したのは599社(73.5%)、「後ろ倒しになった」が101社(12.4%)、「中止または無期限延期」が26社(3.2%)だった〔図1〕。

〔図1〕15.6%の企業が「後ろ倒し」「中止・延期」
〔図1〕15.6%の企業が「後ろ倒し」「中止・延期」
建設物価調査会が6月に実施した調査の結果。建設投資計画について「後ろ倒し」「中止または無期限延期」と15.6%が回答した(資料:建設物価調査会)
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 建設投資計画が後ろ倒しになったと回答した企業は、3月調査では全体の7.0%。6月調査では、新設した「中止または無期限延期」の回答を含めると、8.6ポイント増えたことになる。

要因は「先行きが不透明」

 建設投資計画が後ろ倒しになった理由としては、6月時点では先行きへの不安感や自社の資金繰りの問題、外注先の活動縮小を挙げる回答が目立った〔図2〕。3月時点では、材料調達の遅れや自宅待機・在宅勤務の影響を挙げる声が多かった。

〔図2〕先行きへの不安感や自社の資金繰りが要因
〔図2〕先行きへの不安感や自社の資金繰りが要因
建設投資計画が後ろ倒しになった要因。6月の調査では、先行きへの不安感や自社の資金繰りの問題を理由に挙げる回答が多かった(資料:建設物価調査会)
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 建設物価調査会はその他にも、建物の仕様に対する発注者の意識の変化が建設投資の時期に影響していると分析する。

 建設物価調査会総合研究所経済研究課の山本高史上席研究員は、「新型コロナで、自社ビルなどの施設の空調設備、エントランスの広さ、エレベーターの台数、執務室の広さなどを見直す動きが出ている。一部の企業はそれらの仕様が決まるまで、着工を後ろ倒しにしている」と話す。

 産業別にみると製造業や運輸業、卸売・小売業、サービス業において建設投資計画を後ろ倒し、中止または無期限延期した企業が多かった。