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 改正建築士法が2020年3月1日に施行される。建築士試験の受験要件であった実務経験が免許登録要件に変わる。改正法の施行に向け、関係する省令・告示が19年11月1日に公布された。学科試験免除の仕組みや実務経験の対象実務などを見直した。

 2020年から始まる新試験では、受験機会の柔軟化を図り、学科試験合格の有効期間を5年に延長する。合格後5回の製図試験のうち3回まで受験できるようになる。19年までの学科試験合格者は、従来の規定通り、有効期間を3年とする〔図1〕。

〔図1〕2020年学科試験の合格者から適用
〔図1〕2020年学科試験の合格者から適用
学科試験免除の仕組みの見直しイメージ。見直し内容は2020年の学科試験合格者から適用。改正前の試験に合格した場合は従前の規定が適用される(資料:国土交通省)
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 免許登録に必要な実務経験の対象範囲も拡大する。建築実務の対象を定める告示を改正し、建築物を調査・評価する業務、建築物に関する研究などを追加した。ただし見直しで追加された実務を20年3月より前に行っていても、実務経験年数に数えることはできない。

 新たな実務経験の具体例については、試験機関の建築技術教育普及センターと登録機関の日本建築士会連合会のウェブサイトでリストを公開している。リストでは対象外の業務も例示。適宜追加、更新していく方針だ。

 一方で、実務経験の審査は厳格化する。実務経験の申告で必要な第三者証明について、建築士事務所での実務の場合は原則として管理建築士または所属建築士に、建築士事務所以外の場合は法人による証明に限定する。実務内容については、現行制度より詳細な申告を求める。

4号建築物にも保存義務

 改正建築士法では、建築士事務所の図書保存の制度も見直される。建築士法施行規則を改正し、保存の対象範囲を拡大する。全ての建築物について、配置図、各階平面図、2面以上の立面図、2面以上の断面図、基礎伏図、各階床伏図、小屋伏図、構造詳細図、構造計算書など、工事監理報告書の保存を義務付けることとした。

 建築物の構造安全性が確保されていることを建築士が対外的に立証できるようにするとともに、設計業務などの委託者の保護を図ることが目的だ。木造戸建て住宅などの4号建築物については、壁量計算や四分割法の計算、N値計算に関する図書などの保存を義務付ける。構造計算書などに該当する図書の詳細については、施行日までに国土交通省のウェブサイトで掲載する予定だ。