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 大和ハウス工業などで相次いで発覚した施工管理技士資格の不正取得問題を受けて国土交通省が設置した「技術検定不正受検防止対策検討会」(委員長:遠藤和義・工学院大学副学長)は11月10日、9つの再発防止策を提言した。国交省は検討会の提言を踏まえて順次、対策を講じる方針だ〔図1〕。

〔図1〕国交省は提言を踏まえて不正受検防止対策を講じる
〔図1〕国交省は提言を踏まえて不正受検防止対策を講じる
国土交通省は検討会の提言を踏まえて順次対策を講じる方針だ(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 提言では、不正受検の内容を、受検要件として認められない工事内容などによる受検、実務経験期間の不足、他の技術検定との実務経験期間の重複、の大きく3つに分類した。

 そのうえで、受検者や実務経験の証明者の理解不足あるいは申請ミスだけでなく、所属企業の主導で不正に受検したケースもあったとし、「理解不足による申請ミスの防止対策」と「受検者および証明者による虚偽申請の抑止」の2つの観点から、合計9つの対策を打ち出した。

 申請ミスの防止については、国が企業に対して実務経験の証明に必要となる根拠資料の保有を周知徹底するよう求めた。また、受検申し込み時の所属企業に対して過去に所属していた企業での実務経験まで証明させる方法を改め、企業ごとに実務経験を証明する方法に見直すよう提言している。このほか、「受検の手引き」の記載内容の改善や、間違いやすい項目などをまとめたチェックリストの活用も提言した。

立ち入り検査や企業名公表も

 虚偽申請の抑止については、受検申請の電子化を加速し、受検者情報のデータベース化によって他の種目との実務経験期間の重複をチェックしたり、CORINS(工事実績情報システム)などの既存データベースを活用して確認を効率化したりすべきだとした。試験問題に関しては、受検者が模範解答例を暗記するだけでは答えられないような問題に見直すべきだと提言した。

 このほか、国交省が各地方整備局などに設けた「建設業法令遵守推進本部」による企業への立ち入り検査の実施に加え、立ち入り検査で実務経験の証明に重大な不備が判明した場合などに、国交省が企業名を公表するといった対策を講じること、さらには企業へのペナルティーを明確化することを求めた。

 施工管理技士資格を巡っては、大和ハウス工業の社員349人が不正取得していたことが19年12月に明らかになった(後に元社員も含めて371人の不正が発覚)。20年6月には西武ホールディングス傘下の西武建設や西武造園など4社でも同様の不正が判明していた。