住友林業は11月16日、総合建設会社のコーナン建設(大阪市)をグループ会社化し、中大規模木造建築事業を拡大すると発表した。コーナン建設の株式53.59%を保有する宏栄興産(大阪市)の株式を100%取得する。取得額は非公表。2021年1月中旬の取得を予定している。
住友林業とコーナン建設は19年秋ごろからグループ会社化について検討を進めてきた。宏栄興産の株式を取得する方法を取ることで、コーナン建設の株主構成を維持し、ステークホルダーへの影響を抑える。
住友林業とコーナン建設は21年4月にも、木造混構造に関する新たな事業部をコーナン建設内に立ち上げる予定だ。両社から人材を配置する。コーナン建設が持つ鉄骨造や鉄筋コンクリート造の受注・施工管理ノウハウと、住友林業が保有する木造建築物や内外装の木質化に関する技術などを組み合わせ、新たな市場を開拓する考えだ。具体的な内容については今後、両社で詰めていく。
住友林業は17年11月に準大手ゼネコンの熊谷組と資本・業務提携すると発表。以後、中大規模木造建築事業や海外事業、研究開発などで協力してきた。
コーナン建設の20年3月期の売上高は183億円。同社を傘下に収める狙いについて住友林業コーポレート・コミュニケーション部は「熊谷組とコーナン建設では、手掛ける案件の規模や地域、得意分野などが異なる」と説明する。各社の強みを生かして協業を進め、中大規模木造建築事業を拡大する考えだ。