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 政府はCLT(直交集成板)の普及に向け、2021年度から5年間のロードマップ作成に着手した。20年11月17日に「CLT活用促進に関する関係省庁連絡会議」(議長:岡田直樹内閣官房副長官)を開催し、現行ロードマップの進捗状況などを確認した。21年3月までに新たなロードマップを決定する予定だ。

 17年度から20年度までを対象とした現行の「CLTの普及に向けた新たなロードマップ」では、CLTを用いた建物の「建築意欲を高める」ことや材料コストや建築コストを下げることなどを目標に掲げている。

 林野庁や国土交通省、環境省などの関連省庁はこの目標に沿って、多岐にわたる支援策を講じてきた。CLTを活用した先導的なプロジェクトへの支援のほか、設計・施工技術の開発促進、公共建築物などへの積極的な導入などだ。21年度予算の概算要求でも、CLT関連に国費で約560億円を計上した。

 こうした施策の効果で、CLTによる建築物の竣工件数は20年度中に累計で556件になる見込みだ〔図1〕。需要を喚起するために、各都道府県に少なくとも1棟のCLT建築物を整備するという目標については、18年度中に実現している。

〔図1〕CLT建築物は順調に増えている
〔図1〕CLT建築物は順調に増えている
CLTを活用した建築物の竣工件数(累計)の推移。関係省庁や都道府県による調査結果などに基づき内閣官房が集計した。2020年度は106件が竣工する見込みだ(資料:CLT活用促進に関する関係省庁連絡会議)
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 現行ロードマップでは、24年度までに年間50万m3程度の生産体制の構築を目標に掲げている。19年度までに全国で8工場が整備され、年間8万m3の生産体制が整った。効率的な量産体制へ移行するため、林野庁は中大規模木造向けのCLTパネル工法に使える接合部の開発、規格化の検討などを進めている。

コスト減には課題も

 一方、CLT建築物のコストを下げる目標については、達成までにもう少し時間がかかりそうだ。17年ごろのCLTの製品価格は1m3当たり約15万円。現行ロードマップでは24年度までに半減させ、施工コストを他の工法と同等にする目標を掲げた。

 林野庁木材産業課木材製品技術室は「大手メーカーでは製品価格が1m3当たり10万円を下回るところもあるようだが、業界全体では現時点で1m3当たり14万円ほどだろう」とし、引き続きCLTの認知度を高め、利用拡大の推進が重要だとする。

 政府はこれまでの施策の進捗などを踏まえて新ロードマップに盛り込む項目について議論を進める。有識者などへのヒアリングを適宜、反映する方針だ。21年1月中旬には新ロードマップ案を作成し、同年3月までに関係省庁連絡会議で決定する。