8月5日、高松市の景勝地、屋島の山上に展望施設が開業する。名称は「高松市屋島山上交流拠点施設」。3月末に市が愛称を公募し、「やしまーる」に決定した。市の新しいシンボルに対し、地元の期待は大きい。
屋島山上交流拠点施設は高低差がある計画地の地形を生かしつつ、蛇行する川の流れをイメージしたような平面形状をしている〔写真1〕。曲がりくねったガラス張りの回廊が続く館内は、歩いてぐるりと1周できる。全長は約220mある。
回廊は所々が屋内広場のようになっている。通常は飲食・物販や多目的ホール、そして平安時代末期の源平合戦「屋島の戦い」を再現した大パノラマ展示などに充てる計画だ。
建物は幾つもの広場をまたぐようにして立つ。回廊の大部分を細い柱で支えているため、浮いているようにも見える。施設の高さは約7.7m。施設西側の展望スペースからは、瀬戸内海や市街地を見下ろせる〔写真2〕。
風景に溶け込むような波打つ屋根も見どころの1つだ。屋根材には、地元の庵治(あじ)石でつくった板状の瓦を約3万4000枚使用している。高級な墓石などに使われる庵治石で瓦を製作するのは珍しく、瓦の形から設計したオリジナルデザインだ。