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 8月5日、高松市の景勝地、屋島の山上に展望施設が開業する。名称は「高松市屋島山上交流拠点施設」。3月末に市が愛称を公募し、「やしまーる」に決定した。市の新しいシンボルに対し、地元の期待は大きい。

 屋島山上交流拠点施設は高低差がある計画地の地形を生かしつつ、蛇行する川の流れをイメージしたような平面形状をしている〔写真1〕。曲がりくねったガラス張りの回廊が続く館内は、歩いてぐるりと1周できる。全長は約220mある。

〔写真1〕リング状の回廊で構成
〔写真1〕リング状の回廊で構成
「やしまーる」の航空写真。2022年4月上旬に撮影。施設の右隣は、山上にある既存の水族館(写真:SUO)
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 回廊は所々が屋内広場のようになっている。通常は飲食・物販や多目的ホール、そして平安時代末期の源平合戦「屋島の戦い」を再現した大パノラマ展示などに充てる計画だ。

 建物は幾つもの広場をまたぐようにして立つ。回廊の大部分を細い柱で支えているため、浮いているようにも見える。施設の高さは約7.7m。施設西側の展望スペースからは、瀬戸内海や市街地を見下ろせる〔写真2〕。

〔写真2〕絶景が広がる山上の立地
〔写真2〕絶景が広がる山上の立地
瀬戸内海の絶景が眼下に広がる景勝地、屋島に敷地がある。隣にある茶屋もSUOの改修設計で、21年にリニューアルオープンしたばかり(写真:日経クロステック)
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 風景に溶け込むような波打つ屋根も見どころの1つだ。屋根材には、地元の庵治(あじ)石でつくった板状の瓦を約3万4000枚使用している。高級な墓石などに使われる庵治石で瓦を製作するのは珍しく、瓦の形から設計したオリジナルデザインだ。