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 「美術館の名手」として知られる谷口吉生氏が設計した「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」が7月26日、金沢市寺町5丁目に開館した〔写真1〕。

〔写真1〕建物内に游心亭を原寸大で再現
エントランスのある西側から見た外観(写真:日経アーキテクチュア)
エントランスのある西側から見た外観(写真:日経アーキテクチュア)
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再現した游心亭の広間について説明する谷口吉生氏(写真:日経アーキテクチュア)
再現した游心亭の広間について説明する谷口吉生氏(写真:日経アーキテクチュア)
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 谷口吉生氏と、実父で建築家の故・谷口吉郎氏の名前を冠したこの資料館は、吉郎氏の生家の敷地を息子の吉生氏らが同市に寄贈して、金沢市が建設した。吉郎氏の代表作の1つである東京・四谷の迎賓館赤坂離宮和風別館(1974年竣工、別称「游心亭(ゆうしんてい)」参照)の広間などを再現し、注目を集めていた。

 金沢建築館は鉄筋コンクリート造、地下1階・地上2階建て、延べ面積1570m2。設計は谷口建築設計研究所、施工は清水建設・豊蔵組・双建JVが担当した。建設費は約18億円。館長は建築家で、金沢工業大学教授の水野一郎氏が務める。

「父の建築の額縁に」

 正面の外観は、南西側の寺町通りに沿って水平性を強調したデザイン。ベージュ色の石張り(ブラジル産花こう岩)とガラス、アルミルーバー、スチールのシンプルな素材構成だ。

 エントランスにはラウンジを配した。谷口氏はこう説明する。「美術館なので、父の建築の額縁のようになるといいと考えた。私の建築はいつもそうだが、街並みに貢献するように、また街並みの明るさを増すようにラウンジを正面につくる。今回もそんな建築にした」

 游心亭の再現部分は2階に位置する。「(広間は)父のプロポーション、光の扱い方や素材の考え方が一番表現されているので、展示物としてここに再現した」(谷口氏)

 水野館長は、「近くにある21世紀美術館や鈴木大拙館などと連携しながら、専門家だけでなく市民に広く建築の魅力を伝えられる場にしたい」と語った。