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 東京都は、中央区晴海に立つ「晴海客船ターミナル」の解体に向けて、実施設計業務の入札を11月9日に公告した。2021年に開催が予定されている東京五輪の閉幕以降、できるだけ早く解体に着手する考えだ。東京港の客船ターミナル機能は、段階的に新施設「東京国際クルーズターミナル」へ移行していく。

 晴海客船ターミナルは建築家の故竹山実氏(1934~2020年)の代表作だ〔写真1〕。建物の7階以上を覆うメッシュ状に組まれた白い鉄製フレームが特徴で、東京港のシンボルとして親しまれてきた。地上9階建て、鉄筋コンクリート造で、延べ面積約1万7600m2。東京港が開港50周年を迎えた1991年に竣工した。

〔写真1〕白い鉄製フレームが特徴
〔写真1〕白い鉄製フレームが特徴
写真中央下が「晴海客船ターミナル」。解体後は緑地とする予定。写真中央に見えるビル群が建設中の「HARUMI FLAG」(ハルミフラッグ)。2019年11月撮影(写真:ITイメージング)
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 敷地北側には、東京五輪開催期間中に選手村として活用する予定の施設群「HARUMI FLAG」(ハルミフラッグ)が建設中だ。そのため、ターミナルの解体工事を五輪閉幕後の21~22年度に行い、影響が出ないように配慮するという。詳細は解体の実施設計を踏まえて都が決める。

 解体する理由について東京都港湾局の担当者は、「客船と建物をつなぐボーディングブリッジが、修繕しても不具合が続いていた」と話す。

 また、20年9月には晴海ふ頭より沖合に東京国際クルーズターミナルが開業した。維持管理や運用を効率化するため、客船受け入れの機能を新施設に集約する狙いもある。

跡地は「緑地」とする予定

 都港湾局では現在、東京国際クルーズターミナルを1バース(接岸施設の単位)から2バースへと延伸する計画を進めている。時期は未定だが、2バース目が供用開始となるまで、晴海ふ頭で晴海客船ターミナル解体後も客船を受け入れる。客船の受け入れを廃止した後は、主に物資補給のための岸壁となる。「ターミナル跡地は緑地とする予定だが、活用を検討する可能性もある」と都港湾局の担当者は言う。

 今後、都港湾局は晴海客船ターミナルの解体工事に関する実施設計の他、敷地内に立つ受水槽などの解体に伴う船舶給水用配管直結化の実施設計、石綿含有建材の分析調査を発注する。実施設計は21年6月9日までで、解体後の客船受け入れに必要な設備や車寄せ、歩道などは別途検討していく。