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 大成建設は、精密機器工場などのクリーンルーム用に導入する2つの機器を活用して、衣服や頭髪に付いた花粉や微小粒子状物質「PM2.5」などを除去する装置「T-Clean Air」を開発した〔図1〕。マンションやオフィスなどの風除室に設置して、居住・執務空間への持ち込みを軽減する。2020年12月8日に発表した。

〔図1〕風除室に設置
〔図1〕風除室に設置
T-Clean Airは風除室に設置する(図左側)。宅配や引っ越しなどの場面で大きな荷物を持った人が風除室を利用するので、なるべく動線を妨げないようにした(資料:大成建設)
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 T-Clean Airは人や物に空気を吹き付けるエアシャワーユニットと、室内の空気を清浄化するファンフィルターユニットで構成する〔写真1図2〕。ともに日立産機システム製だ。従来のボックス型のエアシャワーユニットと違って扉は設けておらず、機器の間を通過するだけで済む。

〔写真1〕2つの機器で構成
〔写真1〕2つの機器で構成
エアシャワーユニット(手前)とファンフィルターユニット(奥)で構成(写真:大成建設)
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〔図2〕通過するだけで花粉を除去
〔図2〕通過するだけで花粉を除去
エアシャワーユニットは高さ230cm、幅80cm。ファンフィルターユニットは高さ150cm、幅89cm。対面して並ぶ機器の間を通過して花粉を除去する(資料:大成建設)
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 エアシャワーユニットには、毎秒約25mの気流をつくるフラッタージェットノズルが13個付いている。非接触センサーが設置されており、人が通過する際、数秒間稼働し、HEPAフィルターを通した清浄な空気で花粉などを吹き飛ばす。シャープの独自技術「プラズマクラスター」を備えている。静電気を除去する機能によって、花粉を飛ばしやすくする。大成建設が日立産機システムの工場で実施した実験では約80%の花粉を除去した。

リニューアル工事にも対応可能

 飛ばした花粉は、エアシャワーユニットとファンフィルターユニットの吸い込み口から回収して、HEPAフィルターで捕集する。一部、回収しきれずに風除室に拡散した花粉は、ファンフィルターユニットを常時運転して吸い込む。約12m2の室内に粉じんを散布した実験では約5分で清浄化した。

 大成建設設計本部設備設計第二部の吉田典彦シニア・エンジニアは、「コンパクトな装置なので、新築だけでなく制約が大きいリニューアル工事でも適用しやすい」と話す。まずは自社が設計・施工を担う建物を中心に提案する方針。導入に当たっては一対の機器の費用200万円(税抜き)に加えて、施工と仕上げにかかる費用が別途必要だ。