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 大和ハウス工業は、工場や倉庫内の暑さの原因になる屋根の放射熱を抑える「低放射折板屋根」を開発した〔写真1〕。一般的な折板屋根と比較して80%以上抑制する。2023年1月から、同社が施工を手掛ける新築物件に同製品を本格的に展開していく。関連技術の特許を出願中だ。

〔写真1〕2023年1月から本格展開
〔写真1〕2023年1月から本格展開
大和ハウス工業が開発した「低放射折板屋根」の施工事例。一般的な折板屋根と比較して、放射熱を80%以上抑制する(写真:大和ハウス工業)
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 低放射折板屋根は、折板屋根(鋼板)の下面にガラス繊維系断熱材とアルミ系遮熱シートを組み合わせた「低放射裏貼材」を接着したもの〔図1〕。大和ハウス工業独自の屋根材だ。低放射裏貼材が日射で高温になった屋根の放射熱を抑制する。

〔図1〕工数削減でコストを抑制
〔図1〕工数削減でコストを抑制
低放射折板屋根の構成イメージ。鋼板にガラス繊維系断熱材とアルミ系遮熱シートを密着した状態で工事現場に搬入する(資料:大和ハウス工業)
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 室内の暑さを軽減するために採用されることが多い二重断熱折板屋根や遮熱シートを採用すると、一般の折板屋根と比べて部材や工程が増え、コストが増加する。

 一方、低放射折板屋根は、鋼板と低放射裏貼材を接着した状態で工事現場に搬入するため、一般的な折板屋根と同様の工程で施工できる。そのため、二重断熱折板屋根と比べて、導入コストを約7割程度に抑えられる。