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 軽くて曲げやすい特徴を持ち、耐荷重の小さい工場の屋根やビルの壁面など、これまで設置が難しかった場所への導入が期待できるペロブスカイト太陽電池が次世代型の太陽電池として注目を集めている〔写真1〕。

〔写真1〕工場の屋根やビルの壁面などへの導入に期待
〔写真1〕工場の屋根やビルの壁面などへの導入に期待
東芝が開発したペロブスカイト太陽電池。同社は2021年9月、大面積のフィルム型ペロブスカイト太陽電池で世界最高のエネルギー変換効率15.1%を実現したと発表した(写真:東芝)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はペロブスカイト太陽電池の開発を支援する。2021年12月28日、グリーンイノベーション基金事業の一環として6プロジェクトを採択すると発表した。積水化学工業や東芝などのプロジェクト実施者に計約200億円を支援する。事業期間は21~25年度の予定だ〔図1〕。

〔図1〕2021~25年度の事業
〔図1〕2021~25年度の事業
プロジェクトの実施者の一覧(資料:新エネルギー・産業技術総合開発機構の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 ペロブスカイト太陽電池は、現在主流のシリコン系太陽電池と異なり、ペロブスカイトと呼ぶ結晶構造の材料を用いて発電する。フィルムに塗って製造すれば、曲げることができる。薄いフィルムによって基板や保護部材を構成することで、軽くできるのも特徴だ。