PR

 建設工事の省力化工法の開発コンサルティングなどを手掛けるEMO(香川県三木町)と設備機器の製造を得意とするサンエス(広島県福山市)は共同で、鉄筋の上を走行しながら自動で結束をこなすロボット「トモロボ」を開発した。機能を絞って、販売価格を大幅に抑えた〔写真1〕。

〔写真1〕5種類の配筋ピッチに対応
〔写真1〕5種類の配筋ピッチに対応
鉄筋結束ロボット「トモロボ」。結束対象の鉄筋は、直径が10mm、13mm、16mmの3タイプ。配筋ピッチは100mm、150mm、200mm、250mm、300mmの5種類に対応する。左下は最小の100mmピッチ、右下は最大の300mmピッチを走行する様子。300mmではロボットの本体が左右に開く(写真:EMO)
[画像のクリックで拡大表示]

 トモロボは、市販の鉄筋結束機を取り付けて電源を入れると、縦筋の上を自律走行しながら、磁気センサーで横筋の位置を検知し、結束機が自動で鉄筋を結ぶ。自動作業用ロボットに多く用いられるレーザーセンサーと比べて、直射日光による誤作動を起こしにくいとされる磁気センサーを本体に搭載。日差しの強い晴天下でも鉄筋や障害物を正確に検知し、結束を進められる。

 EMOの試算では、トモロボを導入することで人力での結束箇所数を9割近く削減。例えば、これまで30人で行っていた作業を19人でこなせるようになる。ただし、建物の柱周りなどは人力で結束しなければならない。

 ロボットは、本体の両側に結束機を2台まで取り付けられ、平行した2カ所の交差部で結束を同時に行える。結束機は作業が終われば、取り外すことができる。結束パターンは縦横に組んだ鉄筋の交差部を全て結ぶ「全結束」と、1カ所置きに半分の交差部を結ぶ「チドリ結束」の2種類。操作パネルでパターンを切り替える。

 トモロボは、本体サイズが幅650mm×奥行き800mm×高さ550mmで、結束機を除く重量が30kg以下。配筋ピッチ200mmで結束機2台を取り付ける場合、1カ所当たりの結束時間が2.7秒ほど。バッテリーをフル充電すると同条件で12時間稼働する。希望小売価格は税別で220万円だ。

鉄筋端部で人が持ち上げる

 トモロボは、センサーが鉄筋の端部を検知すると、自動で停止。作業を続けるには、作業員がロボットを持ち上げて隣の鉄筋の上に載せる必要がある。その意味では、その名が示す通り、作業員と“共に働く半自動化のロボット”だ。

 EMOによると、市販の結束機を利用するロボットでは、1台で全ての作業をこなす完全自動化は難しい。例えば、鉄筋を結ぶワイヤ。一般に、内部に装填して使うので、内部のワイヤがなくなった後も作業を続けるには、新たに補給しなければならない。

 どうせ人力作業が避けられないならば、センサーやモーターを多く載せてロボットを自動で左右に動かすより、作業員がロボットを持ち上げて横にずらせばよい──。必要最低限の機能に絞ることで、低価格のロボットを実現した。