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 直交集成板(CLT)の活用の幅を広げる動きが盛んだ。大成建設は、CLTパネル3枚を組み合わせた門形架構をつないで長大な無柱空間を実現する構造システムを開発した。国内で製造可能な最大サイズのCLTパネル(幅約3m×長さ約12m)に対応する。CLTならではの建築空間を売りに普及を目指す。

 この構造システムでは、2枚のパネルを柱、1枚を梁とし、それぞれをピン接合でつなぐ。梁と柱の片方を傾けた門形架構とし、梁の傾きが互い違いになるように連結していく。隣り合う門形架構の梁が交差する箇所は金物で接合。柱と梁の接合部同士は圧縮力にも引張力にも対応する「圧縮ロッド」でつなぎ、トラスを形成する〔写真1〕。

〔写真1〕門形架構を互い違いに連結
〔写真1〕門形架構を互い違いに連結
大成建設が開発した直交集成板(CLT)による構造システム(写真:大成建設)
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図のように、梁の傾きが互い違いになるように門形架構を連結していく(資料:大成建設)
図のように、梁の傾きが互い違いになるように門形架構を連結していく(資料:大成建設)
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 大成建設設計本部建築設計第1部の杉江大典設計室長は、「CLTが持つ面内方向の高い強度を最大限に生かせるシステムだ。長手方向へは、敷地が許す限り無限に無柱空間を展開できる」と話す。

工期短縮を図る工法も開発

 このシステムを簡単に施工できる「プッシュアップ工法」も併せて考案した。同工法では、CLTパネルを地面に置いて接合した後、柱の足元をジャッキで引き寄せて門形架構を立ち上げる。部材の接合は基本的に高力ボルトを締めていくだけでよく、足場も不要。工期短縮が図れる。

 大成建設は同システムを活用し、同社技術センター(横浜市戸塚区)内で新実験棟の建設を進めている。新実験棟では敷地周辺に余裕がなかったため、プッシュアップ工法を採用しなかったものの、建て方は9日間で完了した。プッシュアップ工法を採用すれば、さらに2~3日程度の短縮が可能だという。

 同社は今後、スポーツ施設や文化施設、商業施設など、様々な用途への適用を提案していく。構造システムを応用し、さらなる大空間の実現も目指す。