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 大成建設は、年間で消費する1次エネルギーについて収支ゼロを目指す工場を「ZEF(Net Zero Energy Factory)」と定義し、新しい評価方法を独自に定めた。5月14日に発表した。適用第1号は、OKIが約60億円を投資して整備するOKI本庄工場(埼玉県本庄市)の新棟だ〔図1〕。

〔図1〕ZEF適用第1号が建設開始
〔図1〕ZEF適用第1号が建設開始
OKI本庄工場の新棟は、鉄骨造の地上2階建てで、延べ面積は約1万9000m2。設計は大成建設。施工は大成建設のほか、OKIの子会社であるOKIクロステックが担当する。投資額の約60億円は、工場に付随する変電所の整備費用も含む。2022年4月に竣工する予定だ(資料:大成建設)
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 大成建設による評価方法は、国が定めているZEB(Net Zero Energy Building)の方法を踏襲している。1次エネルギー消費量を基準値から50%以上減らすと「ZEF Ready」、そのうえで創エネの効果も含めて正味75%以上減らすと「Nearly ZEF」、正味100%以上減らすと「ZEF」に位置付ける〔図2〕。

〔図2〕ZEBの評価方法を踏襲
〔図2〕ZEBの評価方法を踏襲
大成建設が定めたZEFの評価方法を示した図。基準値に対する1次エネルギー消費の比率を横軸に、1次エネルギー供給の比率を縦軸にして、評価をプロットする(資料:大成建設)
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設備投資の活性化につなげる

 従来のZEB評価では、工場の大部分を占める生産エリアを評価対象外としていた。ZEFの手法では事務室や倉庫の設備に加えて、生産エリアの空調や換気、照明、給湯、昇降機もエネルギー消費量を評価する。ただし、建物のエネルギー消費に関係のない生産設備は対象から除く。

 この方法によって、工場のエネルギー収支を適正に評価し、さらに発注者に分かりやすく示すことができる。大成建設設備設計第三部の信藤邦太プロジェクト・エンジニアは、「エネルギー削減の目標設定を可能にすることで、設備投資や工場リニューアルの活性化につなげたい」と意気込む。

 OKI本庄工場の新棟では、設計段階でNearly ZEFを達成している。480kWの太陽光発電設備を設置するほか、省エネ面の取り組みとして大成建設が開発した「T-Factory NEXT」と呼ぶシステムを導入。生産機器の稼働状況と人の在室状況を検知して、照明や空調、換気を最適に制御する。OKIは、新しい評価方法を基にしてさらなる省エネや創エネの取り組みを検討しており、ZEFの達成も目指している。