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 竹中工務店は、墨出し作業を自動でこなすロボットを開発した。これまで職人が担っていた墨出しを、夜間にロボットに任せて現場の生産性を高める。国内外の建設会社が開発した墨出しロボットよりも価格を大幅に抑えて普及を図る。同社は建設機械のレンタル会社を通じてロボットを提供する予定だ。

 開発したシステムは、自動走行して墨出しするロボットと、墨出し位置にレーザーを照射する測量機から成る〔図1〕。まず、墨出しする位置に向けて測量機が正確にレーザーを照射する。同時にロボットは、墨出しする大まかな位置に移動する。

〔図1〕安価な測量機でコストダウン
墨出しロボットの構成。ロボットの重量は17kgと軽量だ
墨出しロボットの構成。ロボットの重量は17kgと軽量だ
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墨出し作業の様子
墨出し作業の様子
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OAフロアの脚や間仕切り壁などの位置を、ロボットに搭載したペンで床に描く
OAフロアの脚や間仕切り壁などの位置を、ロボットに搭載したペンで床に描く
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(資料:竹中工務店の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)

 続いてロボットは測量機の方向へ旋回して、レーザーを正面から受ける。ロボットの中央に取り付けた板とカメラでレーザーを感知し、機体の位置と角度のズレを算出。ズレを補正することで、正確な位置に墨出しできる。

 ズレを算出する原理はシンプルだ。墨出しする正確な位置にロボットがあれば、板の中心点とレーザーが当たる点が一致する。板の中心点とレーザーの点の距離を測定することで、位置のズレが分かる。

 角度のズレも簡単に算出できる。ロボットが測量機に正対していれば、板を前後に動かしてもレーザーが当たる点は変わらない。板を前後に動かしてみて、レーザーの照射位置の変化を測ることで、角度のズレを計算できる。こうして算出した位置と角度のズレを基に、ロボットに搭載したペンが正確な位置に墨出しする。

100m2を4時間で

 低価格化の鍵は、ロボットと組み合わせて使う測量機にある。他社は、ロボットを自動追尾できるトータルステーション(TS)で、墨出し作業の正確性を担保している。一方、竹中工務店は、ロボットを自動追尾しなくても正確に墨出しできる仕組みを考案。安価な測量機で済ませた。

 TSは数百万円から1000万円ほどだが、同社が採用した測量機「3D Disto」は80万円程度。ロボットを含めても200万円ほどにする予定だ。

 実験では100m2の空間を約4時間で墨出しできることを確認。同社が最近施工した実プロジェクトで使用したところ、設計値との誤差は平均で1.2mmに収まった。