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 住宅の外壁に2重通気工法を採用するサーラ住宅(愛知県豊橋市)は壁体内通気と耐火性能を両立する工法を開発。住宅金融支援機構の省令準耐火の特記仕様認定を取得した。2021年6月より同工法を備えた住宅の販売を開始した。

 省令準耐火の特記仕様は住宅金融支援機構が定める独自の基準で、建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能(15分耐火)が求められる。適合した住宅は火災保険における構造級別が鉄骨造と同等となり、保険料が一般的な木造のほぼ半額になる。

 サーラ住宅は1988年より一般的な外壁通気工法に加えて壁の内側にも通気を取る2重通気工法を展開している。外張り断熱を採用した際に空隙となる柱・間柱間を通気経路に利用して、夏季における室内の熱負荷を抑えるというものだ。

 一方で、木造住宅の耐火性能を高めるには、壁と床、壁と天井の取り合い部にある隙間を塞いで、火災時に炎が広がることを防ぐ必要がある。

 サーラ住宅の2重通気工法を機能させるためには隙間にファイアストップ材を設けることはできない。同社設計室開発担当リーダーの加来純子氏は「これまで2重通気工法で省令準耐火仕様の認定を取得することは不可能だと考えており、建て主から省令準耐火を求められる場合は、別の工法で対応していた」と話す。

熱膨張耐火材で問題を解決

 通気とファイアストップという相反する要求を解消したのが、積水化学工業が製造している熱膨張耐火材「フィブロック」だ。エポキシ樹脂のシート状製品で厚さは2mm程度。200℃以上の熱が加わると最大で40倍に膨張する。

 この材料を壁と床、壁と天井の取り合い部に通気を妨げないように設置しておけば、火災時に膨張してファイアストップ材になる〔図1〕。これにより2重通気を保ちながら省令準耐火の認定を取得することができた。

〔図1〕熱膨張耐火材が40倍に膨れて隙間を塞ぐ
〔図1〕熱膨張耐火材が40倍に膨れて隙間を塞ぐ
熱膨張耐火材の納まり。桁の上下に設置。シート状なので平常時は通気を妨げない(左)。火災時は熱によって40倍に膨れて隙間を塞ぎ、ファイアストップ材として機能する(右)(資料:サーラ住宅)
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 この省令準耐火仕様は120m2の住宅で70万~75万円のコストアップになる。フィブロックの価格に加えて、この工法で用いている第1種換気のダクトを不燃ダクトに変える必要があるためだ。