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 戸田建設はAR(拡張現実)技術を使って重機の配置をシミュレーションするシステムを開発した。重機の3次元モデルを実際の建設現場の映像に重ねてタブレット端末上に表示し、配置の可否や稼働時の危険箇所を簡単に確認できる〔図1〕。一度に複数の3次元モデルを配置することも可能だ。

〔図1〕重機の配置計画を手軽に確認
建物との近接箇所にクレーンの3次元モデルを配置した様子。破線で囲んだ部分が重機の情報(資料:戸田建設)
建物との近接箇所にクレーンの3次元モデルを配置した様子。破線で囲んだ部分が重機の情報(資料:戸田建設)
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高所作業車の配置イメージ(資料:戸田建設)
高所作業車の配置イメージ(資料:戸田建設)
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 重機の種類は、高所作業車とブルドーザー、油圧ショベル、クレーンから選べる。重機の3次元モデルをタブレット端末の画面上で任意の場所に移動させて、設置の可否を検討する。画面上には、重機の情報も併せて示せる。クレーンの場合、吊り荷の許容重量やブームの長さ、アウトリガ(転倒防止装置)の設置範囲などを表示する。

 同社技術開発センター施工革新ユニットの八代成美サブマネージャーは、「翌日の現場の状況を表示することもできる。重機の移動経路にある資材を事前に移動させておくなどして、安全を確保しつつ作業をスムーズに進められる」と語る。

アプリの提供を検討

 従来は、仮設計画図と建設現場を照らし合わせて配置計画を作成していた。しかし、工事の進捗に伴って現場の状況は刻一刻と変化するため、資機材の搬入経路や作業員の動線などをその都度検討しなければならず、手間がかかっていた。

 関係者との情報共有にも時間を要していた。3次元モデルを瞬時に表示し、視覚的に配置計画を確認できるシステムを活用することで、こうした課題をクリアできる。

 同社は建設現場での試用を進め、2020年度中に実用化する予定だ。表示できる重機の種類を増やし、操作性の向上に取り組む。自社の現場で使うだけでなく、誰でも使用できるアプリとして提供することで、建設業界全体の安全性の向上を目指す。