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 竹中工務店とフジタがそれぞれソフトバンクと組み、四足歩行型ロボットの現場活用に乗り出した。

 竹中工務店は6月25日、ヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」などを手掛けるソフトバンクロボティクス(東京都港区)、ソフトバンクと共同で実証実験を実施したと発表した。

 ソフトバンクグループ傘下の米国ロボットメーカーBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)が開発する「SpotMini(スポットミニ)」を、建設現場の進捗管理や安全点検などで活用する考えだ〔写真1〕。今後も実証実験を重ねてデータを収集し、スポットミニ本体に装着するモジュールなどを建設現場向けに共同開発する。

〔写真1〕不整地でも自律走行できるロボット
〔写真1〕不整地でも自律走行できるロボット
竹中工務店、フジタそれぞれの実証実験で活用した四足歩行型ロボット「スポットミニ」。段差のある場所や階段などの不整地でも自律走行できるのが特徴だ(写真:ソフトバンク)
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“身体能力”の高さに期待

 スポットミニは、階段を上り下りしたり、ドアがあっても頭部に装着したアームでノブを器用に回したりできる。本体に装備したセンサーやカメラで自己位置や障害物などを認識。段差のある場所や階段などの不整地でも自律走行が可能だ。

 竹中工務店は、この高い“身体能力”に着目。2017年夏、ソフトバンクグループの傘下に入る以前のボストン・ダイナミクスにラブコールを送り、建設現場でのスポットミニ活用に向けた実証実験にこぎ付けた。

 実験は、竹中工務店が施工を担当するJR横浜駅西口の開発ビル(横浜市)で18年6月に実施。主に、施工現場での動作確認を行った。

 具体的には、人がコントローラーを操作して現場内の走行ルートを記憶させた後、自律走行ができるかどうか、装備したカメラで現場内の撮影ができるかどうかなどを確認した。

 「床に段差などがある環境下でも、スポットミニは基本的な自律走行が可能なことを確認できた」。竹中工務店の技術研究所で先端技術研究部長を務める菅田昌宏氏は、実証実験の結果について、そう手応えを語る。

 一方、フジタも6月25日、ソフトバンクロボティクス、ソフトバンクと共同で、スポットミニを活用した実証実験を実施したと発表。同社が施工する都内建設現場での実験に参加した技術者は、「現場の人手不足といった課題に向け、十分に活用できる印象を受けた」と言う。

 実証実験とモジュール仕様検討、開発などは、竹中工務店とフジタが別々に行う。ソフトバンク広報室の阿部裕介氏は、「実証実験を通して精査していく機能や目指すものが両社で異なる場合もあるため、別々に進めている」と説明する。

 スポットミニの自律走行によって現場撮影などができれば、常駐の技術者が現場を巡回して行っていた進捗管理や安全点検などを代替できる。技術者は現場に行かなくても遠隔管理が可能だ。19年夏以降の本格活用を目指す。