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 不燃化など特別な処理を施さなくても、無垢(むく)の木材を使える範囲が広がった。旭化成建材は、無垢の木材を外壁側とし、フェノールフォーム断熱材の外断熱を施した壁について、防火構造の国土交通大臣認定を取得した。認定取得により、建築基準法上、延焼の恐れのある部分にも使える。外断熱を行う場合、外壁材には窯業系サイディングなどを用いるのが一般的で、外壁側を無垢材とした大臣認定はこれが初めて。

 大臣認定を取得したのは「北総研防火木外壁(PF仕様)」。認定番号はPC030BE-3846。北海道立総合研究機構・北方建築総合研究所(北総研)が開発し、性能評価試験で防火性能を確認。旭化成建材が技術移転を受けて大臣認定を取得した。旭化成建材は認定書をWebサイトで公開しており、誰でも利用可能だ。

 認定仕様は木造軸組み工法向けで、内部を石こうボードで仕上げる。外周へ構造用面材を張り、外周側をフェノールフォーム断熱材で外断熱。縦胴縁で通気層を確保した上で無垢の木の板材を張って仕上げる〔図1〕。柱間にグラスウールまたはロックウール断熱材を充填、フェノールフォーム断熱材を外張りした付加断熱仕様の認定も同時取得した。

〔図1〕外断熱の上に外装材を張る
〔図1〕外断熱の上に外装材を張る
実際の木造住宅に適用した場合の概要。石こうボードの裏に防湿気密シートを張り、外断熱層(フェノールフォーム断熱材)を防水紙で覆った上で縦胴縁を介して木の外装材を張っている(資料:旭化成建材)
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 認定書によると、外壁仕上げに使える無垢の木材は針葉樹または広葉樹のJAS等級材、針葉樹の無等級材。密度0.38g/cm3以上であればよく、スギ、ヒノキ、マツなど建築用材として一般的な樹種が対象に含まれる。厚さは15mm以上、30mm以下だ。

他の断熱材も大臣認定申請中

 北総研は今回認定を取得した外断熱部分をフェノールフォーム断熱材とした仕様について、53分にわたって防火性能が保持されることを確認した。また同じ部位にグラスウール断熱材を用いた場合、ポリスチレンフォーム断熱材を用いた場合でも、同45分以上となることを確認した。

 北総研では「45分準耐火構造並みの性能を確認した上で、防火構造の認定とした」(企画調整部企画課)と説明している。

 グラスウール断熱材、ポリスチレンフォーム断熱材の仕様でもすでに今回同様の技術移転による大臣認定申請を実施しており、年内には認定書が出そろう見通しだ。木製外装材の採用がより容易になり、木材の需要拡大につながると北総研ではみている。