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 自律走行するモビリティー(移動体)や遠隔操作できるロボットが、東京・羽田にできたスマートシティーに集結した。鹿島が、デジタルツインで一元管理する〔写真1〕。社会実装に向けた課題の抽出や、施設運営の効率化に取り組む。

〔写真1〕東京・羽田の「羽田イノベーションシティ」で実証実験が開始
(写真:日経アーキテクチュア)
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羽田みらい開発などが実証実験に取り組む自律走行の低速電動カート(写真:日経アーキテクチュア)
羽田みらい開発などが実証実験に取り組む自律走行の低速電動カート(写真:日経アーキテクチュア)
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avatarinなどが実証実験を手掛けるアバターロボット(写真:日経アーキテクチュア)
avatarinなどが実証実験を手掛けるアバターロボット(写真:日経アーキテクチュア)
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鹿島は、羽田イノベーションシティでモビリティーやロボット、人の位置をリアルタイムに表示するデジタルツインのシステムを構築した

 鹿島など9社が出資する羽田みらい開発(東京都大田区)などは9月18日、先端技術の実証実験を始めた。舞台は、羽田空港の沖合移転後の跡地開発の1つである複合施設「羽田イノベーションシティ」(同)だ。

 モビリティー関連では、自律走行する低速電動カートを活用して、施設内のコリドーを往復する実証実験を実施する。羽田みらい開発と半導体商社のマクニカ(横浜市)、香港のスタートアップであるパーセプティンの日本法人が手掛ける。「多くの人が集まる商業施設での実験は初めてなので、技術面の改善点などを洗い出したい」とマクニカの岡田紀一郎テクニカルマーケティング部長は話す。

 ロボットの実証実験も始まった。ANAホールディングスが2020年4月1日に設立したavatarin(アバターイン、東京都中央区)と鹿島は、遠隔地同士での会話や映像の視聴に活用できるアバターロボット「newme」の実証実験に取り組む。アバターロボットが施設内を巡回して、警備業務の効率化を図る。

制御もデジタルツイン上で

 スマートシティーの基盤となるのは、鹿島がBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などを活用して建物をバーチャル空間上に再現したデジタルツイン「3D K-Field」だ。モビリティーやロボット、人などの位置情報をビーコンやIoTセンサーで取得し、3D K-Fieldにリアルタイムで表示する。

 鹿島開発事業本部事業部の忽那知輝氏は、「複数のロボットを導入した上で、管理画面を一元化すれば施設の管理業務を効率化できる。また、3D K-Fieldをモビリティーやロボットの制御にも活用していきたい。自動運転する車両の映像を3D K-Fieldにひも付けて監視し、危険が生じた際に走行を止めるなどの活用が見込める」と話す。