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 清水建設は、大型の構造物を建設現場で印刷できる門形の建設3Dプリンターを開発。建設中の自社施設「(仮称)潮見イノベーションセンター」(東京都江東区)の現場にこのプリンターを持ち込み、建物の柱をつくるための埋設型枠を印刷した。9月30日に発表した。

 開発した3Dプリンターの名称は「Shimz Robo-Printer」。幅7.2m、高さ7.5mの門形フレームが、長さ25mのレール上を水平移動する。門形フレームに沿って動くノズルから専用のモルタル材料を吐出し、毎秒10cmの厚さで積層していく。造形可能な範囲は長さ20m、幅4.5m、高さ5.1mだ〔写真1〕。

〔写真1〕鉄筋や鉄骨をよけながら印刷
〔写真1〕鉄筋や鉄骨をよけながら印刷
門形3Dプリンターで埋設型枠を印刷している様子。青い門形フレームがレールに沿って移動し、材料を積層していく(写真:清水建設)
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 産業用ロボットアームをベースとしたプリンターで鉄筋コンクリート造の構造物をつくろうとすると、前もって組み立てた鉄筋の周囲に型枠を印刷する動作が課題となる。可動範囲が限られるからだ。そこで、規模の大きな門形プリンターを自ら開発した。材料を吐出するノズルをクランク状にして、鉄筋や鉄骨などと接触させない工夫も凝らした。