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目次
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国内最大径の「突起付き杭」
300m級超高層への適用目指し大成建設が開発
大成建設とシステム計測(東京都墨田区)は共同で、300m級の超高層建築物向け場所打ちコンクリート杭工法「T-EAGLE(ティー・イーグル)杭工法」を開発した。杭の中間部と底部に拡径部(突起)を設けて鉛直支持力を高め、掘削土量の削減や工期短縮を図る。
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窓からの風景に映像を重ねる
窓ガラスに透明ディスプレーを組み込む技術をAGCが開発
AGCは5月15日、窓ガラスを通じて見える風景に、文字などの情報を重ねて表示する技術を開発したと発表した。
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CLTパネルで長大な無柱空間を実現
国内製造できる最大サイズに対応、大成建設が開発
直交集成板(CLT)の活用の幅を広げる動きが盛んだ。大成建設は、CLTパネル3枚を組み合わせた門形架構をつないで長大な無柱空間を実現する構造システムを開発した。国内で製造可能な最大サイズのCLTパネル(幅約3m×長さ約12m)に対応する。CLTならではの建築空間を売りに普及を目指す。
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空間の好きな場所に「音を置く」
音響設計を劇的に変えるソニーのサウンドVR
ソニーが「音のVR(仮想現実)」の拡販に本腰を入れ始めた。音のVRとは、複数のスピーカーを使って未知の音響体験ができる技術だ。
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1時間で応急仮設住宅の配置を自動作成
入力は敷地境界線のみ、熊本大学准教授が開発
災害発生後、被災者に1日でも早く住居を提供することを目的とした応急仮設住宅。熊本大学先端科学研究部の大西康伸准教授は、応急仮設住宅団地の配置計画を自動作成するプログラムを開発した。大和ハウスグループと協力して検証した結果、約1時間で配置計画案を作成できると分かった。2019年度から試用を進め、21…
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CLTの床でもRC造並みの遮音性
大成建設が開発、ホテルや集合住宅に提案
大成建設は、直交集成板(CLT)を用いた木造躯体床(以下、CLT床)の遮音性を高める乾式工法「T-WOOD Silent Floor(ティーウッド・サイレント・フロア)」を開発した。乾式工法で、コンクリート床と同等の遮音性を達成した。木造の普及が進む中、高い遮音性が求められるホテルや集合住宅などに…
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RC造の超高層にも使えるTMD
ダンパーの減衰係数を切り替えて固有周期の変化に対応
鹿島は、鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の超高層建築物などでも制振効果を発揮するセミアクティブ制御式のTMD(チューンド・マス・ダンパー)を開発した〔図1〕。地震などの影響で建物の固有周期が長くなった場合でも、150Wの消費電力でTMDの設定を調整できる。新築・既築を問…
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「人工クモの糸」が建築材料に?
三井住友建設がベンチャー企業のSpiberとタッグ
三井住友建設は2019年3月25日、「人工クモの糸」の開発で有名なベンチャー企業のSpiber(スパイバー)(山形県鶴岡市)と共同で、建設分野向けの新素材開発に取り組むと発表した。三井住友建設によると、Spiberの独自技術で生産する「構造タンパク質」を建設分野向けの素材に適用する試みは初めてだ
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「測り忘れ」を撲滅するスマホ型計測機器
ライカジオシステムズの注目製品がついに日本上陸
測量・計測機器メーカーのライカジオシステムズ(東京都港区)は2019年3月から、写真を撮るだけで対象物の寸法をミリ単位で測定できるスマートフォン型の計測機器「Leica BLK3D」を日本市場に投入し始めた。
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鋼材で型枠やあばら筋を代替
竹中工務店などが新型小梁を開発
竹中工務店とJFEスチール、JFE建材は共同で、頂部が開いた鋼材「ハット形鋼」にコンクリートを打ち込んでつくるハイブリッド部材「ハット形鋼SC梁」を開発した。主に小梁への適用を想定。型枠工事や配筋工事を省くことで生産性を高められる。3社は日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得。2件の特許を出願…
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フルハーネスのフック掛け忘れに警告
富士通九州システムズが墜落・転落低減に向けてICT化
富士通九州システムズ(福岡市)は、高所作業中の墜落制止用器具の適切な使用状況を、ICT(情報通信技術)を使ってリアルタイムで管理する「スマート安全帯ソリューション」を開発した。フルハーネス型の墜落制止用器具を使用する際にフックの掛け忘れや掛け漏れなどを、スマートフォンを携帯させた作業員に警告・危険…
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「ペンシルビル」の揺れを半減
鹿島が超高層向けのTMD制振装置を改良
鹿島は、高さ30~60m程度のビル向けにコンパクト化したTMD(チューンド・マス・ダンパー)制振装置「D3SKY-c(ディー・スカイ・シー)」を開発した。最上階や屋上に設置し、建物全体の揺れ方を制御するもので、超高層向けの大型の制振装置「D3SKY」を改良。コンパクト化したうえで、制御に欠かせない…
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鉄筋結束箇所の9割をロボが肩代わり
完全自動化は目指さず、機能絞り価格抑える
建設工事の省力化工法の開発コンサルティングなどを手掛けるEMO(香川県三木町)と設備機器の製造を得意とするサンエス(広島県福山市)は共同で、鉄筋の上を走行しながら自動で結束をこなすロボット「トモロボ」を開発した。機能を絞って、販売価格を大幅に抑えた。
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「新国立」の大屋根支える仮設支保工
タワークレーンの支柱を活用、大成建設が開発
2020年東京五輪に向け、急ピッチで工事が進む新国立競技場。同現場の山場となる屋根鉄骨の架設工事では、工期短縮やコスト削減を考慮した新技術が採用された。大成建設が開発した仮設支保工「T-CAPS(ティーキャップス)」だ。従来の仮設支保工と比べ、組み立てと解体にかかる日数は5日間程度、コストは最大7…
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スマホ使ったVRで完成後の光を体験
竹中工務店などが「明るさ感」の確認ツールを開発
竹中工務店とビジュアル・テクノロジー研究所(東京・世田谷)は共同で、空間内の明るさを設計段階で現実の感覚に近づけて確認できる「視環境設計支援ツール」を開発した。
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発破を使って一瞬で杭頭処理
鹿島が場所打ち杭の新設で騒音を抑えた工法開発
鹿島は、場所打ち杭の新設時に余分に打ち上げる余盛り部分を小さな発破で取り除く「カット&クラッシュ工法」を開発し、施工中のプロジェクトに初めて適用した。従来のブレーカーを用いた除去作業と比べて騒音の発生が大幅に抑えられる。作業工程も2割以上減らせたという。
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木材で鉄骨柱の強度と耐火性能を向上
大成建設が1時間耐火のハイブリッド部材を初適用
大成建設は、木材が構造・耐火の両面で性能に寄与する鋼鉄とのハイブリッド柱部材「T-WOOD TAIKA(ティーウッド・タイカ)」を開発した。鋼管を取り巻く集成材が燃えしろ層として機能することに加え、柱としての構造強度も高める。1時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得し、建設中の「さいたま市大宮区役所…
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既製杭の支持層到達を2分で確認
ドリル先端内に格納した試験装置で直接測定
奥村組など4社は、中掘り杭工法による既製杭の先端が支持層に到達したかどうかを2分程度で直接確認するシステムを共同開発した。支持層の到達状況を貫入試験で直接確認できるので、施工品質の確保につながる。4社は奥村組の他、日本コンクリート工業(東京都港区)と佐藤鉄工(千葉県松戸市)、地盤試験所(東京都墨田…
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コンクリの「植毛」でタイル剥落抑止
繊維付きシートを使って打設、浅沼組など9社が開発
コンクリート表面に化学繊維を植え付け、タイル張り仕上げの剥落を防止する技術を、建設会社9社が共同で開発した。タイルを接着するモルタルと躯体との境界面で剥離しても、躯体に植えた繊維がモルタル層を保持する。共同開発には浅沼組と鴻池組、佐藤工業、西武建設、大末建設、東亜建設工業、東急建設、東洋建設、松村…
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「人工筋肉スーツ」で現場の負担軽減
大林組が米・アパレル系ベンチャーに出資して共同開発
大林組が人工筋肉を活用したインナーウエアタイプのアシストスーツの開発に乗り出した。