ニュース 技術
目次
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ヘアクラックが目立たない住宅基礎
外周から打ち継ぎをなくす、WASC基礎地盤研究所
戸建て住宅の鉄筋コンクリート基礎のひび割れや打ち継ぎ部を不具合として、クレームを訴える建て主が後を絶たない。住宅会社は基礎表面に左官や塗装の仕上げを施すなど、クレーム対策に苦労している状況だ。
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複数の無人搬送車を連携制御
仮設エレベーター利用の効率アップ、大林組
大林組は、建設現場内を自律走行する無人搬送車(以下、AGV)を、複数台連携させるシステムを開発した。仮設エレベーターの待ち時間や昇降回数を減らせるので、AGVの稼働率が向上する。10月11日に発表した。
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開口があっても強いCLT耐震壁
袖壁の架構に比べて1.5倍の耐力、構造計画研究所が開発
美観性・採光性・通風性を兼ね備えたCLT(直交集成板)耐震壁が登場した。構造計画研究所が開発した、木製耐震壁「CLT市松ブロック壁」だ。小幅のCLTパネルを市松状に組み合わせて開口を確保する。隈研吾建築都市設計事務所が意匠設計を手掛けた「平成学園ひまわり幼稚園」(高知県南国市)に採用した。構造計画…
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小断面の製材でつくる木質フレーム
軸材は「つづり材」で間を空けて軽量化を図る
脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発になるなか、建築部材の木質化が進んでいる。大成建設は、屋内用の木質フレーム「T-WOOD SPACE Light」を開発した。小断面の製材を組み合わせたユニットを接合して門型フレームを構成する。金物を使わずに接合部を固定するため、軽量で施工性がよい。10月14…
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強風に耐える木造小屋組み接合仕様
国総研と住木センターが基準風速ごとの可否を示す
国土交通省国土技術政策総合研究所(以下、国総研)と日本住宅・木材技術センター(以下、住木センター)は、耐風性能を備えた木造小屋組みの接合仕様の基準を取りまとめた。既存の部材を対象に、基準風速に応じて表形式で整理したのが特徴だ。住木センターが2021年11月に発行する有料の解説書「木造軸組構法住宅の…
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マンション浸水対策の費用対効果を検証
約40万円の対策で復旧費用が大幅減、建研が試算で示す
建築研究所(建研)は、既存マンションが浸水した際に生じる共用部分の復旧費用と浸水対策の費用対効果を、典型的なモデル建物で試算した。建研住宅・都市研究グループの木内望主席研究監らが、9月に開催された日本建築学会の大会で発表した。翔設計(東京都渋谷区)と明海大学不動産学部の藤木亮介准教授が設計と研究に…
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既存RC超高層マンションを制震改修
長周期地震動対策で新構法、大成建設が開発
大成建設は、長周期地震動に対応した新たな耐震改修構法「T-レトロフィット制振」を開発した。建物の中央部に吹き抜け空間が配置された鉄筋コンクリート(RC)造の超高層マンションに対応する。共用部に当たる建物中央部の吹き抜け空間のみで改修が可能なため、住民が住み続けながら改修工事ができることが特徴だ。
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柱や梁を二重に配置する木架構
住宅用一般流通材でオフィスを建てる、竹中工務店が開発
竹中工務店は、戸建て住宅用の一般流通材を使ってオフィスなど大スパンの建物を建築できる新木架構システム「ダブルティンバー」を開発した。国産地域材の地産地消に貢献するとともに、SDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素など社会課題の解決を目指す。施工中の小規模オフィスの北海道地区FMセンター(札幌市)に初…
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南極にCFRPの屋根架構を設置へ
竹中工務店と国立極地研究所が性能検証
年平均気温がマイナス50℃を下回る過酷な環境下でCFRP(炭素繊維強化プラスチック)は構造部材としてどの程度使えるか──。竹中工務店と国立極地研究所は、南極の内陸部にある観測基地「ドームふじ」の近傍に設置する氷床掘削施設の屋根架構の一部にCFRPを採用し、性能を検証する。7月19日、CFRPを使用…
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曲面ガラスファサードで新構法
最適設計した部材を3Dプリンターで一品生産、清水建設
清水建設は、複雑な曲面形状のガラスファサードを構築する「3次元曲面ガラススクリーン構法」を開発した。曲面ガラスを点支持する部材を最適設計するとともに、3D金属プリンターを用いて支持部材を一品生産する。これにより、3次元曲面の設計自由度を高め、施工性や施工品質を確保する。8月25日に発表した。
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コンクリート締め固めをAIが判定
安藤ハザマと金沢工業大学が深層学習用いたシステム開発
安藤ハザマと金沢工業大学は、コンクリートの締め固めの完了・未完了を人工知能(AI)で即時に判定するシステムを開発した。モニターへ判定結果を表示するまでのタイムラグは1秒程度だ。
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火炎の変形抑えたガラスパーティション
大林組とコクヨが10分間防火設備の大臣認定を取得
大林組とコクヨは、独自に開発した連装ガラスパーティションで10分間防火設備の国土交通大臣認定を取得した。連装タイプのパーティションとしては日本で初めてとなる。6月29日に発表した。
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コンクリートの締め固めをAI判定
画像から挿入位置と挿入深さなど認識
清水建設は、打設時のバイブレーターによる締め固め状況を人工知能(AI)で分析して可視化する「コンクリート締固め管理システム」を開発した。経験の少ない作業員でも締め固め完了の時期を適切に判断できるので、コンクリートの品質を安定的に確保できる。6月21日に発表した。
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2重通気工法で省令準耐火を実現
住宅金融支援機構の認定をサーラ住宅が取得
住宅の外壁に2重通気工法を採用するサーラ住宅(愛知県豊橋市)は壁体内通気と耐火性能を両立する工法を開発。住宅金融支援機構の省令準耐火の特記仕様認定を取得した。2021年6月より同工法を備えた住宅の販売を開始した。
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大阪万博の実証実験9件が決定
海床ロボットや放射冷却素材で未来を開く
2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所は5月31日、大阪・関西万博の会場予定地である夢洲(ゆめしま)で実施する実証実験9件を発表した。空飛ぶクルマや自動運転車両など、社会実装を目指す技術の実証実験の場となる。建築関連では、竹中工務店の「海床ロボット」や、大阪ガスの「放射冷却素材」が選ばれてい…
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工場版ZEBを大成建設が独自に定義
適用第1号はOKIの新工場、生産エリアも評価
大成建設は、年間で消費する1次エネルギーについて収支ゼロを目指す工場を「ZEF(Net Zero Energy Factory)」と定義し、新しい評価方法を独自に定めた。5月14日に発表した。適用第1号は、OKIが約60億円を投資して整備するOKI本庄工場(埼玉県本庄市)の新棟だ。
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SNSの画像からAIが浸水被害を可視化
投稿から約10分で10㎞四方の被害状況を推定
SNS(交流サイト)の投稿を人工知能(AI)で分析して災害の発生を検知するサービスを展開するSpectee(スペクティ)(東京都千代田区)は、AIを活用して水害発生時の浸水範囲や浸水深を3Dマップ上に再現する技術を開発した。リアルタイムで被害状況を可視化することで、自治体の災害対応計画の作成などに…
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四足歩行ロボットで遠隔巡視
大成建設が首都圏の建設現場に導入
大成建設とTechShare(テックシェア)(東京都江東区)は四足歩行ロボットを使って、遠隔地から建設現場を巡視するシステムを開発した。コントローラーでロボットを操作し、現場にいる作業者と通話ができる。大成建設は首都圏の建設現場に導入して実用性を確認した。
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人の不在を検知し深紫外線を照射
大成建設など、LED殺菌灯と安全制御システムを開発
大成建設は、ウイルスや細菌を抑制する深紫外線を照射する空間殺菌灯「T-LED DUV Light」を遠藤照明と共同で開発した。照射する深紫外線が人体にも影響することに配慮し、東光高岳(東京都江東区)と共同で、室内に人が居ないときに深紫外線を照射する安全制御システムも開発した。4月27日に発表した。
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室内の感染リスク分布を可視化
清水建設など、CO2濃度分布と在室者の位置情報から評価
清水建設と感染制御を専門とする順天堂大学の堀賢教授は、室内のCO2濃度や在室者の位置情報から新型コロナウイルスの感染リスクを評価し、リスク分布をモニター画面で可視化するシステムを共同開発した。室内のCO2濃度からマイクロ飛沫感染、在室者の位置情報から飛沫感染を評価し、合算した感染リスクを示す。4月…