ニュース 技術
目次
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「ペンシルビル」の揺れを半減
鹿島が超高層向けのTMD制振装置を改良
鹿島は、高さ30~60m程度のビル向けにコンパクト化したTMD(チューンド・マス・ダンパー)制振装置「D3SKY-c(ディー・スカイ・シー)」を開発した。最上階や屋上に設置し、建物全体の揺れ方を制御するもので、超高層向けの大型の制振装置「D3SKY」を改良。コンパクト化したうえで、制御に欠かせない…
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鉄筋結束箇所の9割をロボが肩代わり
完全自動化は目指さず、機能絞り価格抑える
建設工事の省力化工法の開発コンサルティングなどを手掛けるEMO(香川県三木町)と設備機器の製造を得意とするサンエス(広島県福山市)は共同で、鉄筋の上を走行しながら自動で結束をこなすロボット「トモロボ」を開発した。機能を絞って、販売価格を大幅に抑えた。
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「新国立」の大屋根支える仮設支保工
タワークレーンの支柱を活用、大成建設が開発
2020年東京五輪に向け、急ピッチで工事が進む新国立競技場。同現場の山場となる屋根鉄骨の架設工事では、工期短縮やコスト削減を考慮した新技術が採用された。大成建設が開発した仮設支保工「T-CAPS(ティーキャップス)」だ。従来の仮設支保工と比べ、組み立てと解体にかかる日数は5日間程度、コストは最大7…
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スマホ使ったVRで完成後の光を体験
竹中工務店などが「明るさ感」の確認ツールを開発
竹中工務店とビジュアル・テクノロジー研究所(東京・世田谷)は共同で、空間内の明るさを設計段階で現実の感覚に近づけて確認できる「視環境設計支援ツール」を開発した。
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発破を使って一瞬で杭頭処理
鹿島が場所打ち杭の新設で騒音を抑えた工法開発
鹿島は、場所打ち杭の新設時に余分に打ち上げる余盛り部分を小さな発破で取り除く「カット&クラッシュ工法」を開発し、施工中のプロジェクトに初めて適用した。従来のブレーカーを用いた除去作業と比べて騒音の発生が大幅に抑えられる。作業工程も2割以上減らせたという。
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木材で鉄骨柱の強度と耐火性能を向上
大成建設が1時間耐火のハイブリッド部材を初適用
大成建設は、木材が構造・耐火の両面で性能に寄与する鋼鉄とのハイブリッド柱部材「T-WOOD TAIKA(ティーウッド・タイカ)」を開発した。鋼管を取り巻く集成材が燃えしろ層として機能することに加え、柱としての構造強度も高める。1時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得し、建設中の「さいたま市大宮区役所…
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既製杭の支持層到達を2分で確認
ドリル先端内に格納した試験装置で直接測定
奥村組など4社は、中掘り杭工法による既製杭の先端が支持層に到達したかどうかを2分程度で直接確認するシステムを共同開発した。支持層の到達状況を貫入試験で直接確認できるので、施工品質の確保につながる。4社は奥村組の他、日本コンクリート工業(東京都港区)と佐藤鉄工(千葉県松戸市)、地盤試験所(東京都墨田…
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コンクリの「植毛」でタイル剥落抑止
繊維付きシートを使って打設、浅沼組など9社が開発
コンクリート表面に化学繊維を植え付け、タイル張り仕上げの剥落を防止する技術を、建設会社9社が共同で開発した。タイルを接着するモルタルと躯体との境界面で剥離しても、躯体に植えた繊維がモルタル層を保持する。共同開発には浅沼組と鴻池組、佐藤工業、西武建設、大末建設、東亜建設工業、東急建設、東洋建設、松村…
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「人工筋肉スーツ」で現場の負担軽減
大林組が米・アパレル系ベンチャーに出資して共同開発
大林組が人工筋肉を活用したインナーウエアタイプのアシストスーツの開発に乗り出した。
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ロボットが床に施工図を印刷
日立プラントサービスが設備位置の墨出し用に開発
日立プラントサービスは、建築現場における設備位置などの墨出し作業を自走式ロボットで行うシステムを開発した。墨出しは設備設置などの事前作業として、これまで補助者を含めて作業者2人で実施していた。ロボット化で作業者1人でも高精度な墨出しが可能になった。
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ロボットや遠隔管理で生産性3割向上
鹿島が現場改革に向け、名古屋市内で初弾工事
鹿島は建築生産プロセスの効率化に向けた目標「鹿島スマート生産ビジョン」を発表し、実現への第1弾となる名古屋市内の現場を2018年11月12日に公開した。
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人型ロボが現場作業を代替
人間の現場環境を大きく変えずに対応、産総研が開発
平積みされた石こうボードの山から1枚だけをずらしてつかみ、一般的な工具で膝を曲げながら壁面にビス留めしていく──。人間型ロボット「HRP-5P」が戸建て住宅の壁面に石こうボードを施工する様子だ。産業技術総合研究所が人の作業の代替を目指して開発を進める。2018年9月27日に試作機を公表した。
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コンクリート破砕の騒音を泡で減らす
重機に後付けで7割低減、大林組が開発
大林組は、ブレーカーによるコンクリート破砕時の騒音を、気泡を使ってエネルギー換算で約7割低減させる装置「バブルサイレンサー」を開発した。重機に後付けして気泡を徐々に流し、ブレーカーのノミ部分や破砕対象を泡で覆う。粉じん飛散の抑制にもつながる技術として今後、コンクリート構造物の解体や岩盤の掘削などへ…
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鉄骨造の仮接合作業を大幅軽減
戸田建設が仮ボルト不要の治具「ガチャピン」を開発
戸田建設は、鉄骨(S)造で軸組みの建て方を省力化する仮ボルト不要接合治具「ガチャピン」を開発した。建て方の際に仮ボルトの代わりに使うことで、高所での接合部のボルト締め作業を軽減できる。今後、この治具を用いた工法を、同社のS造の標準工法として適用する方針だ。
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CLTを現しで中高層の耐震壁に
鉄骨とのハイブリッド構造、竹中工務店が開発
竹中工務店は、鉄骨(S)造の軸組みに直交集成板(CLT)の耐震壁を組み合わせた「CLT+鉄骨ハイブリッド構造」を開発した。S造部分とCLT部分を明確に分離、中高層建築物でもCLTを現しにできる。S造の柱間にCLT耐震壁を拘束し、木材の材料強度を効率よく引き出す。
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「ヘルメット」か「姿勢」で人を検知
ステレオカメラ2組で重機との接触防止、大林組が開発
大林組は、複数のカメラとAI(人工知能)で重機近くの作業員を高精度に検知し、接触の恐れがあると強制的に重機を停止させる機能を備えた安全装置「クアトロアイズ」を開発した。建設現場で実証試験を行い、高い検知性能を確認した
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PC鋼材で木質構造に高い復元力
大地震後の継続利用を容易に、三井住友建設
三井住友建設は、木造の梁にPC鋼材を組み込んでプレストレス(緊張力)を導入し、柱側へ圧着する「プレストレスト木質構造」を開発した。梁のたわみが抑えられ、同じ断面でも通常よりスパンが伸ばせるほか、圧着によって接合部の復元力が高くなる。大地震で建物が変形した後も継続利用が容易になるという。
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目の前の配筋とBIMを自動で見比べ
点群データを自動生成、大林組が品質検査システムを開発
大林組は、MR(複合現実)技術などを活用して配筋などを効率的に検査するシステムを開発。現場で実際の配筋とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データを自動で重ね合わせ、技術者が容易に確認できるようにした。検査にかかる時間をこれまでより25%以上削減し、ミスの縮減にもつながるという。
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四足歩行ロボを大手2社が現場に投入
竹中工務店とフジタがそれぞれソフトバンクと共同実験
竹中工務店とフジタがそれぞれソフトバンクと組み、四足歩行型ロボットの現場活用に乗り出した。
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航空・宇宙分野の素材で揺れにくい階段
ささら桁を押し引きして振動打ち消す、竹中工務店が開発
竹中工務店は小型のアクティブ制振装置で鉄骨階段の振動を抑制する技術「SPADA-stairs(スパーダ・ステアーズ)」を開発した。歩行時の振動を機械的に抑えることで、細い部材を用いても歩行性を確保できる。同社大阪本社が入居する御堂ビル(大阪市)の改修で初適用し、一般的な鉄骨階段に比べて31%細い部…