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島根県営の共同住宅が不同沈下により使用不能となった。1996年竣工の建物は杭の一部が支持基盤に到達しておらず、弱い地盤の沈下が影響して傾斜が発生。原因は斜面崩壊によって形成された複雑な地層にあった。

<b>事故の概要</b> 島根県営住宅「渡津(わたづ)団地」で、3号棟の不同沈下と敷地の地盤沈下が発生した。3号棟では1000分の6以上の傾斜があることが判明。調査委員会は2018年3月にまとめた報告書で、「構造的な機能に支障が出ている可能性があり、継続利用は困難」と判断した。杭の補強や建物の修繕などによる対策は施工面から難しいため、県は3号棟の解体を検討している(写真:日経アーキテクチュア)
事故の概要 島根県営住宅「渡津(わたづ)団地」で、3号棟の不同沈下と敷地の地盤沈下が発生した。3号棟では1000分の6以上の傾斜があることが判明。調査委員会は2018年3月にまとめた報告書で、「構造的な機能に支障が出ている可能性があり、継続利用は困難」と判断した。杭の補強や建物の修繕などによる対策は施工面から難しいため、県は3号棟の解体を検討している(写真:日経アーキテクチュア)
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 島根県の県営住宅「渡津団地」は、江津(ごうづ)市を流れる江(ごう)の川の河口近く、小高い山に囲まれた地域に位置する。1995年から96年にかけて整備された建物は、70年代に竣工した他の県営住宅と比べると、築浅の部類に入る。この団地に立つ1棟の共同住宅が不同沈下して、使用不能に陥った〔写真1〕。

〔写真1〕3号棟にのみ不同沈下が発生
〔写真1〕3号棟にのみ不同沈下が発生
渡津団地3号棟の外観。建物西側(写真奥)に向かって建物が1000分の6以上傾いた(写真:日経アーキテクチュア)
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 横浜市でデータ改ざんによる杭未達マンションが問題になったのは記憶に新しい。しかし、渡津団地のケースでは、施工・工事監理にそうした不正はなかった。