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「組み立て家屋」として意匠登録された建築デザインを巡る裁判で、権利侵害を認めた判決が初めて下った。2020年4月施行の改正意匠法で、建築物や内装の意匠登録が可能となっており、判決の影響は大きい。(日経アーキテクチュア)

住宅フランチャイズグループを全国展開する住宅会社が、鳥取県の地場住宅会社を訴えた。被告が分譲した戸建て住宅が自社ブランド商品の住宅にそっくりだという。原告はこのデザインを「組み立て家屋」のデザインとして意匠登録していたが、この意匠権が完成した建物に適用できるかが争点になった
住宅フランチャイズグループを全国展開する住宅会社が、鳥取県の地場住宅会社を訴えた。被告が分譲した戸建て住宅が自社ブランド商品の住宅にそっくりだという。原告はこのデザインを「組み立て家屋」のデザインとして意匠登録していたが、この意匠権が完成した建物に適用できるかが争点になった
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 日本には産業上のデザインを保護する法制度が複数ある。代表格が意匠登録制度だ。ただし従来、対象範囲は「物品(動産)」に限られるとされ、土地およびその定着物である家屋などの不動産は、原則として意匠法上の物品とは認められてこなかった。建築デザインに関しては、物品の一種として「組み立て家屋」のみ登録が認められてきた。

 2020年4月に施行された改正意匠法はこの制限を緩和し、不動産に当たる「建築物」「内装」でもデザインの意匠登録を可能とした。施行から1年近くたち、すでに相当数の登録が行われてブームになっているのはご存じの読者も多いだろう。

 意匠登録の効力とはどの程度のものだろうか。今回取り上げる判決は組み立て家屋の意匠権を巡る初の判決で、その一端を示すものだ。