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設計料の支払いを拒否した発注者を設計者側が訴えた裁判で、珍しい判決が下った。業務着手前に建築士法に基づく重要事項説明(重説)を行わなかったとしても、報酬自体は請求できるという。(日経アーキテクチュア)

工事に一部着手した段階で発注者が計画中止を決めた。住宅会社は設計・施工一括契約を前提として、発注者から「設計料150万円」を含む見積書の了承を得ていたが、計画中止は正式な契約を締結する前だった。発注者側は建築士法に基づく重要事項説明が未実施であることから、「設計契約は成立していない」と全面的に争った
工事に一部着手した段階で発注者が計画中止を決めた。住宅会社は設計・施工一括契約を前提として、発注者から「設計料150万円」を含む見積書の了承を得ていたが、計画中止は正式な契約を締結する前だった。発注者側は建築士法に基づく重要事項説明が未実施であることから、「設計契約は成立していない」と全面的に争った

 構造計算書偽造事件を受け、2008年に始まった建築士事務所による契約締結前の重要事項説明(重説)。この義務について、建築士法24条の7第1項は次のように規定している。

 「建築士事務所の開設者は、設計または工事監理の受託契約を建築主と締結しようとする時、管理建築士など事務所に属する建築士に、契約の内容およびその履行に関する事項について、書面を交付して説明をさせなければならない」

 ところが現実には、ダラダラと打ち合わせや設計提案が繰り返された揚げ句、正式契約に至る前に案件が突如中止となって報酬トラブルに発展するケースがある。設計者としては「せめて実働分は支払ってもらいたい」と思うところだが、この場合、重説も実施されていないのが常だ。

 法律上の義務を果たしていない士業の業務報酬請求というのは、私たち弁護士としても悩ましい。今回取り上げるのは、まさにこの論点が争われた裁判だ。

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