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2020年の東京五輪後、高止まりしている建築コストはどうなるのか。サトウファシリティーズコンサルタンツは、働き方改革などの影響で人手不足が深刻化し、建築コストがさらに上昇すると予測する。(日経アーキテクチュア)

 技能労働者の不足率は2011年の東日本大震災を契機に急上昇した。20年の東京五輪に向けた旺盛な建設需要を背景に、人手不足は続いている。では「ポスト五輪」に改善するかというと、なかなか難しそうだ。

 というのも、24~25年にかけて、建設会社の労働供給能力に影響を及ぼす2つの出来事が待ち構えているからだ。1つ目は、働き方改革の本格実施。24年度以降、建設業にも時間外労働の上限規制が適用される。現場に週休2日が定着すれば、実質的な労働時間が2割も減る。単純計算で工期が2割増しになり、それに伴い建築コストも上昇する。

 2つ目は、24年ごろから高齢の技能者が引退期を迎えること。国土交通省の推計では、技能労働者約330万人のうち、65歳以上が約51万人を占める。4~5年後、全体の15%を占めるこの世代が離職すると、人手不足はさらに深刻になる。

 以降では、25年までの建築需要(建築着工床面積)の動きを踏まえて、ポスト五輪の人手不足の状況と、建築コストについて予測してみる。