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「風俗営業所よりも影響大」

 京都地裁はまず、条例が法違反かについて、法と条例のそれぞれの趣旨、目的、制限の内容や効果を比較考量し、矛盾抵触があるかで決しなければならないとする最高裁判決(1975年9月10日大法廷判決)に沿って判断した。

 1審判決は、風営法の目的と府条例の目的には共通する部分があるものの、府条例には地域の実情に合わせた独自の部分があると認定。加えて、2005年以降に案内所が性風俗営業所の集客施設として特に増加したという実態があるとし、「風営法は、風俗案内という行為について、条例の規制を一切許さない趣旨だとはいえない」などとして、この点の原告の主張を退けた〔図2〕。

〔図2〕周辺の生活環境への影響が重視された
〔図2〕周辺の生活環境への影響が重視された
(資料:判決文を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 一方、違憲性については逆の判断をした。1審判決は「風俗案内所は、風俗営業所の存在を前提とし、従属的な立場に立つ。風俗案内所のもたらす弊害が接待飲食等営業がもたらす弊害よりも大きいとはいえない」と判示。禁止区域を200mとした府条例について、「明確な根拠がないので違憲」とした。

 ただ、1審の違憲判断は2審以降で崩れた。府側の控訴で開かれた2審は、違憲性について、周辺社会への悪影響という観点から退けた。2審判決(大阪高等裁判所15年2月20日判決)にはこうある。

 「風俗案内所は集客のために積極的に広告・宣伝を行う。単体の風俗営業所よりも外部の環境に対して格段に大きな影響を与え、いったん違法な性風俗営業店と結びつくと弊害は一層大きくなる」

 最終的に、最高裁判断も2審判決を支持した(16年12月15日判決)。

 学校の運動場に設けられるトラックの多くは1周200m。社会が保護すべき施設からこの程度の距離に、いわゆる風俗案内所があることについて、筆者は青少年の健全な育成に決して良い影響を与えるものではないと考えるので、この最高裁の判断を支持したいと思う。