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気候変動の影響で、強風による建物被害のリスクが高まっている。今後は台風の通過経路の北上も予想される。札幌市内を吹き荒れた強風で屋上断熱防水層が剥がれた事例から、積雪寒冷地域の強風対策について考える。

 トラブルの概要
 トラブルの概要
強風によって、札幌市内の賃貸マンションの屋上から断熱防水層が剥離して垂れ下がった。負傷者などは確認されていないが、地元テレビ局が被害を報じたことで大きな話題となった(写真:北海道放送)
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 札幌市西区に立つ4階建ての賃貸マンションで3月10日、断熱防水層が剥がれて垂れ下がる被害が発生。周辺は騒然となった〔写真1〕。

〔写真1〕剥がれた断熱防水層を撤去
〔写真1〕剥がれた断熱防水層を撤去
札幌市内で吹き荒れた強風で被害を受けた賃貸マンション。複数の作業員がクレーンを使って、屋上の断熱防水層を撤去している。札幌市消防局に被害が通報されてから約7時間後の午後4時50分ごろに撮影(写真:栃木 渡)
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 この賃貸マンションは築16年の鉄筋コンクリート(RC)造。札幌市消防局によると、剥離した断熱防水層のサイズは16m×8mだ。日経アーキテクチュアが入手したこの建物の建築計画概要書と照らし合わせると、剥離は屋上のほぼ全面に及んでいたようだ。

 同日に札幌管区気象台が観測した最大瞬間風速は27m/秒だった。同市の基準風速である32m/秒には達しなかったものの、市内ではこの賃貸マンションのほかにも強風でトタンぶきの屋根材が剥がれる建物被害が計3件、札幌市消防局に通報されている。

 賃貸マンションを設計・施工した建設会社は取材に応じなかった。そこで日経アーキテクチュアは、寒冷地における集合住宅の設計に詳しいさくら事務所ホームインスペクション北海道の栃木渡代表と、アスファルト防水工事に詳しい全国防水工事業協会北海道支部の内山理技術主幹に協力を依頼。地元テレビ局が撮影した現場の映像などを基に、断熱防水層が剥がれた原因の推定を試みた。