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市立総合病院の建設計画が迷走、実施設計が間に合わない事態に陥った。発注者の自治体が設計業務委託契約の解除に踏み切り、設計者を提訴した裁判で、設計者に1億円超の巨額賠償を命じる判決が下った。(日経アーキテクチュア)

市立総合病院の整備計画が暗礁に乗り上げた。発注者の自治体は設計者に債務不履行があったとして契約解除を通告。さらに前払いしていた実施設計料の一部の返還と、違約金支払いを求めて提訴した。設計者側は未払いの設計料支払いを求めて反訴した(関連記事:2022年4月28日号ニュースクローズアップ「釧路の病院訴訟で設計者敗訴」)
市立総合病院の整備計画が暗礁に乗り上げた。発注者の自治体は設計者に債務不履行があったとして契約解除を通告。さらに前払いしていた実施設計料の一部の返還と、違約金支払いを求めて提訴した。設計者側は未払いの設計料支払いを求めて反訴した(関連記事:2022年4月28日号ニュースクローズアップ「釧路の病院訴訟で設計者敗訴」)

 今回取り上げる事案は、釧路市立総合病院の整備を巡る訴訟の1審判決だ。原告(反訴被告)は発注者である北海道釧路市。問題のプロジェクトは設計がなかなかまとまらず、予算も明らかに超過するという状況に陥り、発注者と設計者は立て直すことができなかった。最終的に市は契約解除を決断。仕切り直しを決めたが、設計料を巡って紛争となった。