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建築プロジェクトの大規模化が著しい。大型再開発事業などは、建築需要のけん引役として存在感を増しており、大手建設会社が受注に向けてしのぎを削る領域だ。大型案件のこれまでとこれからを解説する。(日経アーキテクチュア)

 大型開発案件は、今や建築需要のけん引役だ。面積で見ると、都心の再開発を中心とする大規模案件と大型物流施設とでほぼ二分される。

 サトウファシリティーズコンサルタンツ(SFC)の調べによると、2021年に着工した延べ面積5万m2以上の大型開発案件は、15年の約2倍に当たる356万m2だった〔図1〕。22年も333万m2という高水準で推移する見込みで、その存在感は増し続けている。

〔図1〕全国の大型開発案件の着工・竣工予測(5万m2以上)
〔図1〕全国の大型開発案件の着工・竣工予測(5万m<sup>2</sup>以上)
5万m2以上の大型開発案件(オフィス、集合住宅、複合施設)について、公表データをサトウファシリティーズコンサルタンツが集計した(資料:サトウファシリティーズコンサルタンツ)
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 公表データを集計すると、大型案件の着工量は、23年に前年比27%増の424万m2に達し、過去最高水準となる見込み。投資額ベースでは総額1兆5000億円を超える。

 大手建設会社5社は、超高層ビルをはじめとする大型案件を得意とし、ほぼ独占的に工事を手中に収めてきた。仮に23年に着工する大型案件を大手5社で受注した場合、単純計算で1社当たり3000億円超。これは、各社の1年間の建築売上高のほぼ3割に相当する額だ。

 建築プロジェクトの大型化の背景にあるのが、都市計画上の規制緩和や金融面での優遇措置。安倍政権下で打ち出された「国家戦略特区」などの影響が大きい。

 政府による大胆な規制緩和と優遇措置で投資を誘発し、民間主導で都市再生を推進させたわけだ。東京の国際競争力の向上や国内の不動産市場の活性化、人口密集地域における土地の有効利用、建築物の老朽化対策や防災対策などを一気に進める狙いがあった。