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コロナ禍の東京五輪が8月8日に終わり、文字通り「五輪後の建設市場」がやってきた。長らく続いてきた売り手市場は、どうなるのか。バロメーターとなる建設会社の手持ち工事高を予測する。(日経アーキテクチュア)

 2012~19年の8年間にわたって好況を維持した建設業界。ピークの13年は建築物着工床面積(建築需要)が1億4785万m2となり、「施工してくれるところが見つからない」という発注者の声が頻繁に聞かれた。

 その後は18年までほぼ1億3000万m2前後で推移し、大きく増えていない。にもかかわらず、建築プライスは高止まりし、需要が供給を上回る「売り手市場」が長く続いた。

 理由は、建設会社の「手持ち工事高」にある。手持ち工事高は、前期末手持ち工事高と当期受注高の和から、当期施工高を差し引いた値。次期以降の売り上げとなるため、工事受注意欲を測る指標になる。

 建設業界では、13年に前年比11.5%も急増した建築需要をこなしきれず、生産能力を超えた受注が手持ち工事として順次先送りされ、毎年平均4.9%増(大手50社)のペースで膨らんできた経緯がある。

 では、東京五輪後の建設市場においても、これまでのような売り手市場は続くのだろうか。

 大型工事を得意とする大手5社(大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店)と、中小規模の工事を主な対象とする中堅12社(浅沼組、鉄建建設、銭高組、東洋建設、飛島建設、東亜建設工業、奥村組、大豊建設、若築建設、松井建設、ナカノフドー建設、矢作建設工業)の2つのグループに分けて、バロメーターとなる足元の手持ち工事高の分析と将来の予測を行った。