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コロナ禍でのテレワークの広がりに伴い、オフィスの在り方を見直す企業が増えている。業績の悪化を背景に、オフィス面積を減らして固定費を削減する動きも増えそうだ。オフィスの建築需要の今後を占った。(日経アーキテクチュア)

 2020年上半期の建築物着工床面積(建築需要)は、19年10月の消費増税や20年に入ってからのコロナ禍の影響で、店舗、工場が前年同期比でそれぞれ22.8%減、33.5%減と大きく落ち込んだ。一方、オフィス(事務所)は3.8%増、倉庫は24.4%増とコロナ禍でも増加し、店舗や工場の減少を支える格好となっている〔図1〕。

〔図1〕主要4用途の着工床面積の推移(前年同期比増減率の推移)
〔図1〕主要4用途の着工床面積の推移(前年同期比増減率の推移)
国土交通省の建築着工統計を基にサトウファシリティーズコンサルタンツが予測(資料:サトウファシリティーズコンサルタンツ)
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 店舗や工場、住宅などでコロナ禍による大幅な需要減が予想されるなか、事務所の建築需要は20年も堅調に推移すると考えられる。

 19年の東京23区における事務所(民間)の建築需要は約136万m2で、国内事務所全体(530万m2)の約4分の1を占めた。東京で特に多いのが、延べ1万m2以上の大型案件で、合計約104万m2に上る。近年は都心の事務所で大型化の傾向が顕著であり、10万m2以上の事務所の割合が大きく伸びている。

 このような大型計画を、着工間際に大幅に変更したり、延期したりするのは難しい。コロナ禍で着工が後ろ倒しになった案件もあるが、それでも東京では20年に前年比5%増の110万m2前後が見込める。大阪などの大都市で計画されている大型案件の後押しもあって、20年の国内事務所の建築需要は、前年比4%増の551万m2と予測できる。

 しかし、21年以降は様子が変わりそうだ。事務所の建築需要は景気に一歩遅れて影響を受けるからだ。